ポラロイドがインスタント式フィルムの製造打ち切りを表明した。
カメラのデジタル化が進み、更に原油高による「コスト高」も追い打ちとなった様だ。
元来、ポラロイドは、「カメラは安いがフィルムは高い」、それに加えて「焼き増し出来ない」と、一見、使い勝手が良さそうに見えて、肝心な所は銀塩フィルムに劣る所があった。
カメラの「デジタル化」が進み、「エコ(省資源)」と言う観点からも、デジカメがもてはやされる状況になった昨今、まずは「フィルム代」と言う点で、ポラロイドが苦渋の決断に追い込まれた形になった。
そうなると、次は「銀塩フィルム」とそのカメラ、そして「レンズ付きフィルム」の立場が危うくなる、と言う事だが、それ以前に、大手カメラメーカーの中でも、「脱銀塩(フィルムカメラの製造打ち切り)」を表明したり、コニカミノルタに至っては、「カメラ事業からの完全撤退」に追い込まれ、同社のデジカメ部門は他社(ソニー)への「移籍」と言う形で何とか生き残りを計った…。
(コニカカラーのフィルムって、まだあったっけ?)
↑私は、同社のデジカメを愛用しているが、デジカメを手にしてからは、「レンズ付きフィルム」を使う事は全く無くなってしまった…。
パソコンに加え、フォトプリンターの普及もデジカメの環境を支える上で「追い風」となり、今や「宅刷り(自宅で写真(デジカメ画像)を印刷する事)」が一般的となりつつある。
そこ(宅刷り)まで自分でやる自信の無い人でも、デジカメのメモリカードを写真屋へ持ち込み、あとは「プロ任せ」と言う事も勿論OK。
そして何より、「NGだったらその画像を削除出来る」のがデジカメの「最大の利点」だ。
そうなると、「エコ(省資源)」の潮流は、遅かれ早かれ「銀塩フィルム」と言う「写真文化」を隅に追い遣ってしまう事だろう…。
そして、もし万が一、「写真用カラーフィルムの製造打ち切り」ともなると、もはや「絶滅」と言う表現がピッタリな状況になってしまうだろう…。
(私自身、「需要は減るだろうが、なくなりはしない」と思うが、今回の「ポラロイド」の一件で「最悪の事態」も予想出来る訳でもあり…。)
「銀塩フィルム」…嫌いではないが、時代の流れだからこそ、やがて消えていくのも仕方ないかも知れない…。
話はちょっと横道に逸れるかも知れないが…
「レコード」に見る「アナログ回帰」は「DJ」と言う仕事があるから、ある意味「当然」と言えば「当然」だが、その一方で、「携帯音楽プレーヤー」の普及から、「ネット配信」のみに限定され、「CD」でも発売されない状況もある…。
一時は「CD」に押され、「絶滅」したかに見えた「レコード」。
「CD」と同じ「デジタル」であっても「データ」と言う形でしか存在しない「メディアレス」な時代にもなった。
「ビデオ」も、「アナログVTR(VHSなど)」から、今では完全に「デジタル式(ハードディスクレコーダーなど)」に移行されつつある…。「地デジ」ともなれば、「アナログVTR」の出番は完全に無くなってしまう…。
「デジカメ」にしろ、「携帯音楽プレーヤー」にしろ、そして、「ハードディスクレコーダー」にしろ、その時代が来る事を、私は随分前から予想していた。
「音楽のアナログ回帰」が「レコード」であるとするならば、デジタル技術の普及によって駆逐されてしまった「画像のアナログ回帰」もまた、数年後、「銀塩フィルム」によって成し遂げられる日が来るのだろうか…?