対戦相手は昨年のチャンピオンチーム・浦和レッズ。
強風に時折吹き付ける吹雪というあいにくの空模様。
3月だと言うのに、「午後4時キックオフ」。気温もどんどん下がる一方だった。
(一週間前の春の陽気とは大違い!)
試合開始直後から積極的に攻めるも「あと一歩」な状況が暫く続いた。
そんな状況に、サポーターも次第に苛立ちを隠せなくなってくる。
攻め手を欠く中で、レッズ永井に先制点を許してしまう。
前半はその1点のみで折り返す。
後半に入り、エンドが変わった影響からか、時折、レッズの選手がアルビの神内深く攻め込んでくる。
「あわや」という所がありながら、ピンチを凌いだと思った次の瞬間、またしてもレッズの攻めから、ディフェンスの一瞬の隙を突く形でワシントンに追加点を許してしまう。
試合も終盤に入り、「0-2」という状況に、レッズサポーターの中にも「楽勝ムード」が漂い始める。
レッズサポーターの応援のヴォルテージが上がっていく。
かたや、アルビサポーターのヴォルテージはテンション同様に急速に下がる一方だった。
「手詰まり」を打開するかの様に、鈴木監督が立て続けに選手交代のカードを切った。
丁度それと前後する様に、スタジアム上空に青空が広がった。
最後のカードとして河原を出した次の瞬間から、試合の流れがアルビに傾いていった。
選手交代でピッチに入ったばかりの河原が残り5分でゴールを決め、1点を返す。
その興奮がさめやらぬ中、レッズサポーター、選手の中に次第に「楽勝ムード」から一転、「動揺ムード」が漂い始める。
次の瞬間だった、今度は河原と同じ若手の有望格・田中亜土夢が同点ゴールを決めた!
ロスタイム2分でタイムアップ!試合終了。
「残り時間5分での奇跡の同点劇」に場内は騒然となった。
「楽勝ムード」から一転、「勝ち点3」のはずが「勝ち点1」に留まってしまったレッズ、そして、だれしもが「負け試合」を覚悟していた中で「勝ち点1」をもぎ取ったアルビ。
「エジがいれば」とか、「スタートダッシュを決めていれば」とか、「ワシントンのゴールを防いでいれば」とか、「たられば」を挙げたらキリがないかも知れない。
「同点」と言う事で「ヒーローインタビュー」は無かったが、今日はアルビの若手2人を誉めてやるべきだろう。
非常に寒かった試合だったが、「奇跡の同点劇」と言う結果から、最後の最後に少しは体が温まった様だった。
