博士後期課程や既に博士号を取得しているポスドクと呼ばれる、

学術研究員達のキャリア・デザインを担当していると、

自らのキャリアを自律的に制御しようとする意思の強さの違いに

驚かされる。

 中国、インド、バングラディシュ・・・、世界各地から日本に学び

博士号を取得していく。

 母国に帰るわけでは無い、日本で働く。

博士号を取得しても、必要ならばどのような労働でも厭わない。

 自らを振り返り、そんなハングリーさを持てるのかと自問自答するが、

正直「何も言えない」。

 単にハングリーでは無く、ロジカルに日本での労働を

次のチャンスのための期間として考えている。


 間違いなく、日本はいまだ「パラダイス」である。

 「ブラック企業」だからと、モラトリアム期間を延長して、

就業を先送りする日本の若者と比較して、

「迷ったら、まず飛び込む」という姿勢の彼らと渡り合えるのか?

と考えてみれば、答えは言うまでも無い。


 海を越えて、一人で異国で学び、暮らす。

 生きていくことの厳しさ、そして尊さを理解した彼らに

打ち勝つには、よほどの根性が必要だ。

 日の丸を背負う若者達よ、

見る前に跳べ。


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