カーネギーも「道は開ける」で

些末なことにこだわるには人生は余りにも短い

と書いていたが、

では、どうすれば些事に拘らずに済むのか

 

今なら禅とか瞑想とかも頭に浮かびそうだが

そういったことに全然興味のなかった20年前に

本屋で見て、そのタイトルに惹かれて買った本。

 

小さいことにくよくよするな

~しょせん全ては小さいこと

著:リチャードカールソン

小さいことにくよくよするな! (サンマーク文庫)

 

これも言わずと知れた名著
タイトルや表紙装丁がちょっと安っぽいけど書いてあることはどれも名言名文章


奇抜なことや斬新な話が書いてある訳ではなく、

昔から何処かで聞いたような人生哲学話みたいなところもあるけど

今思うとかなりマインドフルネスの影響が出てる本だと思います


実際、その創始者ジョン・カバット・ジンの名前も出てくるし

またマインドフルネスのルーツの仏教や禅のエピソードも幾つか紹介されている


原題は『Don't Sweat the Small Stuff—and It's All Small Stuff』で1998年の初版だそうだが
ジョン・カバット・ジンの『マインドフルネスストレス低減法』の原著『Full Catastrophe Living: Using the Wisdom of Your Body and Mind to Face Stress, Pain, and Illness』が発表されたのが1991年なので、著者も大いに影響されてたんじゃないかな

マインドフルネス以外にも、

物事は受け止め方が大事だという意味では認知療法的な文章も多いし、

ウェイン・ダイア―博士(自分の時代)やコヴィー博士(7つの習慣)からの影響もありそうです(両博士の名前も出てきます)。

 

もちろん、それらの先覚の焼き直しという訳ではなく、

著者の語りかけるような優しい言葉で、

キャッチ―な文章がつづられています

 

また一節ごとが短い構成で、とても読みやすいですね。


20年以上前の初めて読んだとき

(マインドフルネスなんて知る由もない僕でしたが)

それまで読んでたカーネギーや7つの習慣などが大著すぎて、

読むだけでも気合いが要るのに対し、

この本は手軽に読めて、文章もいいこと書いてあるなぁという印象でした


読み返すことも多いけどいっときは、オーディオブックで通勤電車で聞いたりしてたベタな言い方だけど、心にしみるという感じでした
ちょっと疲れたときに聞くには本当にいいブックセラピーだと思います


以下、印象に残って黃ペンをつけてた文章を幾つか紹介

 

こんなはずじゃない、もっとよくなるはずだと思い込むいつものパターンに落ち込んだら、いまのままの自分でいいんだと心の中で言いきかせる
いまのあなたが手にしている成功は不安から生まれたものではなく、不安にもかかわらずつかんだものなのだ。
あなたが死んでも、やりかけの仕事は残ることを忘れないように。もう一つ言わせてもらえば、それはだれかがやってくれるのだ。
バランスのとれたものの見方をするには、人にたいする思いやりの心を養うのが一番だ。
人生の目的は、すべてをやりとげることではなく、その一歩ずつの過程を楽しみながら、愛情のある暮らしを送ることにある。そう自分に言いきかせることで、私は「やるべきこと」のリストを片っぱしからやっつけたいという欲求をコントロールできるようになった。
否定的な考えと向き合うには二つの手段しかない。その考えをじっくり分析してのめり込むか、それを受け流して素通りさせるかのどちらかだ
それがいま起きているのではなく一年後に起きるのを想像するだけでいい。次に「これはそんなに重要な問題なのか」と自分に聞いてみる問題はなんであれ、一年たてば気にならなくなるはずだ。
それがいま起きているのではなく一年後に起きるのを想像するだけでいい。
次に「これはそんなに重要な問題なのか」と自分に聞いてみる
問題はなんであれ、一年たてば気にならなくなるはずだ。
いい気分のときはありがたく思い、暗い気分のときは優雅にやりすごす
幸せになる道などない。
そう、幸せこそが道なのだ。