カーネギー「道は開ける」の感想の続き

 

第一章は、「悩みに打ち勝つ諸原則」として、3つのことを言っています。

 

1)今日という枠の中に生きよ

2)悩み解決の公式を知れ

3)悩みの代償が法外なことを思い起こせ

このうち1)は以前に書いたので、今日は2)を。

 

 起こり得る最悪の事態は何か

 

「悩み解決の公式」と言われると、どんな魔法のメソッドがあるのかと思いますが、

カーネギーが言っていることはごく単純に以下のこと。

 

①起こり得る最悪の事態は何かを自問せよ

②それを受け入れる用意をせよ

③最悪の事態を少しでもよくするように努めよ

事例も含めてこれについていろいろと書いてあるのですがが、

正直、僕は最初は、まぁそりゃそうだよね、くらいにしか思えなかったです。

 

例えば仕事上で何かミスしたとして、

それを心配しているときに、

 

①起こり得る最悪の事態は何かを自問せよ

→起こり得る最悪の事態は、上司に呼び出されて、こっぴどく叱られ、そしてこれが原因で昇進が絶たれる、でああろう。

 

②それを受け入れる用意をせよ

→解雇されて路頭に迷うということまでは行かないだろうし、まして死ぬわけではない。叱られて窓際に追いやられることくらい受容しよう。

 

③最悪の事態を少しでもよくするように努めよ

→今できることは、そのミスの影響を最小限に抑えるために、また二度と同じミスをしないように、アレとコレをしよう。

 

と考えられれば、それに越したことはないのですが…

心配の渦中にいると、なかなかそうは頭を切り替えられない。

 

先ず「最悪の事態」を考えている最中に、不安は増大するし、

そうなると、それを受容するということも難しい。

そりゃ、死ぬよりマシではあろうが、そこまで達観できるようになるには、修行が要るんじゃなかろうか。

 

なので、これは、誰もが簡単に応用できる「公式」というよりも、

心配と不安が沸き起こり、だんだんとその崖に落ちかけたときに

こっちにも道がある、と思い出すくらいの道標のような気がします。

 

死ぬよりマシなんだから、慌てずもうちょっと何とかできないか考えよう

 

本当に切羽詰まったときは、こういう想いも浮かばないので、

ちょっと立ち止まって考えるためのSmall Tipとして覚えておくといいのかなと思いました。 

 

 最悪を受け入れる

一方で、この3つから成る公式で、「最悪を受け入れる」が第二番目というのは、今回読み返して改めて気付かされたところでした。

 

悩みや心配があるとき、

僕の頭のなかは自然と、

これからの成り行きを考え、

しかも、それを悪い方に悪い方に考えるので、

ほっといても「最悪の事態」考えてしまいがち。

 

で、それを回避すべくアレコレ考えてしまいます。

解決のための方策に意識は向くのですが、今度はその自分で考えた対策がうまくいくかどうか心配になったりしてしまう。

 

カーネギーは、そうしたアレコレ考える前に、

先ずは「最悪の事態を受け入れよ」という。

 

自分が出来るかどうかは棚に上げていうと、

この先の成り行きのうち

最もネガティブな方向での未来を受け入れられれば、

翻って、今の現状も受け入れられるような気がします。

 

割り切り、とかいうんですかね。。。

 

もちろん、そういう想いに僕がなれるには、まだまだ稽古が必要ですが、

ここは読み返しの中での新たな気づきでした。