種から芽が出た。

嬉しくてしょうがなかった。
毎日芽の事で頭がいっぱいになった。
そして、いつも見ているうちに、
早く育ってほしくて、
早く花がみたくて、
その嬉しさを抑えきれなくて、
水をいっぱいあげた。
肥料をいっぱいあげた。
早く育ってほしい。
育ってほしい気持ちをわかってほしい。
初めはぐんぐん伸びた。
ぐんぐん伸びるともっと嬉しくなる・・・
毎日その芽を茎を見た。
ちょっとの成長も見逃したくなかった。
大好きな植物・・・。
毎日毎日見続けて、
水をあげ、肥料をあげた・・・
そのうち、ぴたっと成長がとまってしまった・・・
なぜ?
毎日みてるのに・・・
水をあげているのに・・・
肥料をあげているのに・・・
変わらず、水をあげた。
肥料をあげた。
だけど、ぜんぜん育たなかった。
水が足りなかった?
肥料が足りなかった?
さらに水をあげた。
肥料をあげた。
だけど、ぜんぜん育たなかった。
なんで?
こんなに水をあげているのに・・・
こんなに肥料をあげているのに・・・
なんで育ってくれないの?
答えてくれない植物に不安を覚え、
さらに水をあげて、
肥料をあげた。
わかってほしくて。
この植物が、芽が、葉が、花がどんなに大好きなんだと、
だから、それを知らせたくて・・・
でも、育たなかった・・・。
がっかりした・・・
わかってくれなかったと思ったから
もう、水をあげるのも、
肥料をあげるのも、
辞めた。
一切、その植物を見るのを辞めた。
これ以上育たないのを見るのもいやだったし・・・
思いも伝わらないのがわかったから・・・
やがて、その芽は・・・枯れた・・・
その芽はあと何日か、
水も肥料を、ちょっと待って、じっと見ていて、
必要な時に水と肥料をあげていれば、
無事育っていたのに・・・。
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