今回も小松美彦氏の「
脳死・臓器移植の本当の話」(PHP新書)を参考資料の中心にして説明します。この本は実に誠意を持って真実を探求しようとするエネルギーにあふれています。色々と加筆して脱稿までなんと2年半。新書としては400ページを超える力作となりましたが、小松氏は誰もが求めやすい価格(¥950)にするためにと、ぜひ新書版で出版して欲しいとPHPにお願いして了解してもらったそうです(自分の印税も少なくなるのに)。

動く死者


 全脳、あるいは脳幹が死滅した脳死者には意識がないということが前提とされ、脳死が規定されているのですが、もしもとても人間的な動きが脳死者に起きているとしたら、意識の存在が無いと説明できるでしょうか。
 例えば両手を ベッドの上で合わせて祈るような動作をしたら、そしてその互いの手の指を握った(組んだ?)としたらどうでしょう。
 「それは単に脊髄反射だ」という反論も、一時的にヒクヒクと痙攣するように動いたのならあり得ても、胸の上で手を合わせ、指を握り締めるという行動は偶然に起き得るものではありません。脊髄反射というのは「反射」というからには、何らかの反動であり、自律神経のように人間意思とは異なる反応になると思います。しかしこの運動は反射というよりも自発的な運動と呼べるものです。しかもこの運動は9日も続いたのです。
 これは1982年のアメリカテンプル大学病院のスティーブン・マンデルらによって著名な医学雑誌に報告されたことだそうです。28歳の男性の脳死判定から15時間経ってからのことであり、手足を伸ばしたりする運動に続いて左足がベッドから持ち上がり、両腕もおよそ45度上がったそうです。その後、前述した祈りのポーズに入ったとのことです。これが4日続き、刺激を与えると更に5日続いたそうです。

 その2年後、1984年にはマサチューセッツ総合病院では同種の症例を5件、つまり5人報告し、それを「ラザロ症候群」と名づけました。私が持っている本にはそれを撮ったビデオの写真が5枚あります(私はスキャナーを持たず、デジカメもいま壊れていてUPできないのが残念)。両腕が万歳、胸の上、あごのところ、腰の横、首などです。顔も真っ直ぐ上だったり,横を向いたりしています。実際に動画で見ると手の指は複雑に動いているのだそうです。
 1998年には日本でも、この「ラザロ症候群」の報告が下関の病院からされたそうです。しかも呼吸様運動すら現れたとのことです。
 1989年にはこれらの症状に加え、血圧が230/120まで上がり、150回/1分の脈を打ち、顔は高潮したそうです。これが死者なんですか? どう考えたっておかしいでしょう。


脳死者の本当の寿命


 ここでちょっと考えてみたのですが、脳死者の大半かそれ以上が、一週間以内で死ぬ(心拍停止)とされています。しかしこの数の中には大きな見落としがあります。
 実は脳死から心臓停止に至るまでの日数は、実際よりかなり短く言われているのではないでしょうか。ここで思い出していただきたいのは、移植医からは若くて生きの良い肉体のドナーが好まれるということです。レシピエントもそのほうが長く生きられるからです。そしてもうひとつ思い出していただきたいことは、若い肉体ほど脳死から心臓停止までの日数が長いということです。つまり脳死から心臓停止までの平均日数を延ばす予定のドナーがどんどん消えてしまっているという事実です。しかしほんとは長生きとしてカウントされるはずの脳死者が早期の心臓停止死者としてカウントされていたら、更に輪を掛けて脳死者の脳死から心臓停止までの日数を縮めているということです。
 若い肉体を求めるのでドナーは益々不足します。
 この狂気の欲望は留まるところを知りません。


 脳死前に合法的にモルヒネを投与し死に至らしめる


 ドナー不足は深刻でアメリカでは待機者の1/10と言われています。
 もしかすると後、100日、1年生きるかもしれない、いや生き返って社会生活に復活するかもしれないという人たちの命までもが奪われています。なぜならばアメリカでは脳死に至る前にモルヒネを投与し、臓器を摘出しているのです(これも「脳死・臓器移植の本当の話」からの情報です)。
「全米の「脳死移植施設」の実に1/3が「脳死に至る以前に」モルヒネを投与して臓器を摘出できるという規定(プロトコル)を持っている」とあります。 ― つづく ―


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