退任 長井敦史GKコーチ | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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スタッフ陣の中で一番最初にピッチに現れ、GKのウォーミングアップ準備をする長身の濃い顔。
ある意味では監督よりも目立ち印象に残るオーラの様なものを醸し出し、試合中はやや沸点の低さを感じさせる場面もある。
しかし意外にフランクに挨拶して下さる普通の兄ちゃん。

 

その兄ちゃんも今年で40歳になった。
GKコーチに就任して6年も経っている事実に時の流れのスピードを感じずにはいられない。

 

コーチとしての手腕を外から評価するのは難しいが、チームが抱える3人のGK全員を日本代表に送り込むという成果がすべてを物語っており、池田咲紀子、平尾知佳、松本真未子の3人以外にも優秀なGKを指導してきた。
その功績に称賛と感謝の意を表したい。

 

一方でコーチとして6年という期間はやや長すぎる。
選手の入れ替わりは差し置くが、どんなに優秀で引き出しの多いコーチでも2年もあれば新たに教えることはなくなり、後は反復練習が主となる。
少しずつマンネリ化し、それは選手の成長曲線の鈍化に繋がる。
チームの着実な発展と3人のGKのさらなる飛躍を考えれば、コーチの新陳代謝も必要不可欠な要素であり、それ自体は肯定的に捉えるべきだろう。

 


コーチの人間性に触れる機会は少ないが、退任の公式コメントを読むと謙虚な一面が垣間見え、あの風貌を思い浮かべるとそのギャップに笑みがこぼれてしまう。
この時期の発表に不意を突かれるが、そこには皇后杯準決勝へ向けてチームを一つにするという意図も感じられ、それは長井コーチが慕われてるから出来る事でもあろう。

 

本人も「皇后杯優勝を目指し、じっくりこのすばらしい仕事に向き合い、自分にできることを最後まで取り組んで」とコメントされている。

 

残された時間は僅かだが、同じ目標へ向かって、頂点に立つ瞬間を思い描きながら、そして最後は笑顔で送り出したいよね。

 

まだ、お疲れ様は言わない。

 


以上。