2014年シーズン振り返り(1):「走り抜いた1年」 | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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リーグ優勝を成し遂げた2014年シーズン。

その振り返りをやりたい、やらなければと思いながらズルズルときてしまった。


もう来週末にはレッズフェスタが開催され、気持ちは2015年シーズンへと向かっていく時期になってしまったけど、来シーズンの話をする前に出来るだけ振り返っていきたい。


今日は"走る"ということがテーマ。



2014年に入りチームが始動すると、かなりの走り込みをしているとの情報が入った。


2013年シーズン前半、試合終盤に失点して勝点を落とし続けたレッズレディース。
その原因を体力面にフォーカスして"走れない"と批判する声も多く聞かれた。

実際には吉田監督が就任した後、年間の蓄積疲労も出るはずのシーズン後半に巻き返したことを考えると、単純な体力面だけがすべてでないことは明白ではあるが、それでも走り込みはサッカーの基本であり最も重要な要素であることは間違いなく、プレシーズンにしっかりと走り込むことは私も大賛成だ。


ちょうど昨年の今頃の時期、その様子を確かめにレッズランドへと足を運んだ。


私が行った時は天然芝ピッチの外周を使ってインターバル走を行っていた。

決められた距離を決められた時間で走り、僅かな休みをはさんでまた走る。

結構なピッチでこれを何本も何本も繰り返す。


皆険しい表情で走り続け、体全体で呼吸をしながら、中には声を荒げて苦しさを表現する選手もおり、観ている方も息苦しくなるくらい追い込んでいた。


それでも皆で声を掛け合って励まし合ったり、3つに別れたグループごとに吉田監督、神戸コーチ、梅原コーチがやや内周をタイムコールしながら並走するなど、2013年シーズンの悔しさを胸にチーム全員で走り抜くという一体感を強く感じた。


またある時には並走する梅原コーチに大滝が「梅原さん、もう少し頑張ろう」と叫んで笑いを誘うなど、苦しい中でも雰囲気は上々で、"チームってこれだよな"と素直に思わせてくれた。



まずその効果が表れたのはレッズフェスタでの選手の顔、体つき。
例年この時期はオフ明けでふっくらとして帰ってくる選手たちも、今シーズンは全員が既に引き締まったアスリートの身体になっていた。



そしてリーグの開幕。

開幕戦では劇的な勝利を飾ったが、目を見張ったのは中盤から前線の攻守の切り替えの速さとハードワーク。開始10分で2013年シーズンとは違うチームであることが確信できた。


また国際親善試合のバレンシアCFフェミニーノ戦後には、岩倉三恵選手からレッズレディースの印象として、開口一番「皆、よく走るな。」という言葉が出てきた。


それはシーズン終盤まで続き、当ブログの皇后杯準々決勝、準決勝のレビューでも試合終盤のハードワークについて触れさせて頂いた。


エピソードを言い始めればキリがないが、最終的にリーグ最少失点を成し遂げた一番の要因は全員の攻守の切り替えとハードワークだと考えており、"走る力"がそれを下支えしたことは間違いない。



もう一つはシーズンを通して(相手選手との接触を除く)怪我人が少なかったこともプレシーズンの走り込みの効果ではなかろうか。


スタメンを固定して戦い続けることには良い面、悪い面あるだろうが、固定したくても出来ない状況も往々にしてあることを踏まえれば、吉田監督にきっちりと起用の選択肢を与えられた個々のコンディション面の安定は大きかっただろう。



しっかりと集計していないけれども、おそらくレッズレディースとして最も年間の公式試合数が多かったシーズン。

2013年に走れないと揶揄された選手たちが、大きく入れ替わることなく臨んだシーズン。


1シーズンよく走り抜いたことに最高の評価を与えたい。



以上。