池松壮亮という俳優が好きな私は、
近々公開する無伴奏という映画に池松壮亮が出ることを知り、無伴奏が小池真理子氏によるものと知った。
兎にも角にも、代表作、直木賞受賞作の恋を読んでみようと、思ったのだ。
官能と虚無、と謳われたこの小説はひどく寂しいものだった。簡潔に私の好き度でいうと満点に近い。
自己投影させてしまえるところがあったのもまた楽しめた理由の一つ。
読み終えた後、阿刀田高の解説にもあるが、恋、というタイトルの良さに気付かされる。これは読んだものだけがしっくりくる。
何と言っても寂しい。豊かになっていくように思われる物語が一転、暗雲が立ち込めてからの寂れはどうにもしんどい。そのしんどさがこの本に魅了された証でもあると思える。
恋、というのは正論で語れるものではないのだ、と。正論ではなく、感情があってこそ、発展するのだ。もしくは後退するのだ。なんだか月並みで、薄いくなってしまったが、ここの悔しさもこの小説には描かれている。私は自分が生きる恋愛の中において、ここにもどかしさを感じる分人より楽しめたような気もする。
そして、自分の恋人に読ませようと思うのである。(笑)
