ある夏の暑い日のこと。
夏休みを満喫しつつ、魔女退治に勤しむ魔法少女のあなたたちは、とある魔法少女から、こんな話を聞く。
「一週間後に、私の住む町…、見滝原に、舞台装置の魔女『ワルプルギスの夜』が来ることが分かったの。その強さは圧倒的。災厄と表現されるほどよ。結界に潜むことすらなく、堂々と、『災害』という形で広範囲にその爪痕を残していく。私も私なりに対策を練ってはいるのだけれど、それで足りるかは分からない。むしろ、ほぼ足りないでしょう…。」
黒髪の魔法少女は物憂げに言う。
「本来、魔法少女は、縄張りを重要視する。命がかかっているからね。でも、そんなことを言っていられる状況ではなくなったの。ワルプルギスの夜の接近によって、他の魔女の活動も活発になってしまって…。…忍びないのだけれど、お願い。私の町を、私の大切な人を、守るのに、力を貸してくれないかしら。」
そんな存在を放置すれば、いずれ、あなたの町にも、あなたの縄張りにも、それが訪れることは無いとも言えない
災害と等しい力を持つ魔女である。
その時が来ても、あなた一人では到底太刀打ちできないだろう…。
あなたは、その魔法少女と話をし、「見滝原の町に着いてからの5日間は自由にさせてもらうこと」を条件に、協力することにした。
「ありがとう。あなたの他にも、見滝原の外から協力者を連れてくるつもりでいるわ。その人たちとも、仲良くやってちょうだいね。きっと、きっと…。ワルプルギスの夜を、私たちで倒し、この悲劇を終わらせましょう。」
そう、熱を込めて言う魔法少女の瞳に…
暗く…深く…黒く…広がる絶望に、あなたは気づいていたのだろうか…。
準備して、出発して、1日後には、見滝原の町に着いた。
あなたは、あなたと同じように黒髪の少女に頼まれたのであろう、その町に来た魔法少女たちと出会う…。
※
原作を知っておられる方なら分かるでしょうが、ワルプルギスの夜に魔法少女が勝つことは 不 可 能 です。
よって、このTRPGは『見滝原に到着してからワルプルギスの夜に出会うまでの五日間』を描くストーリーになります。
つまるところ、クリア条件は基本的に『6日目を迎えること』です。(その5日間に別の目標を立てることもあるでしょうが)
よって、シナリオをクリアした場合のその後の展開は
GM「シナリオクリアおめでとうございます!それではエンディングです。」
↓
あなたは、痛みで目を覚ます。
気絶していたのだろう。
ゆっくりと体を起こし、正面に向き直り、辺りの状況を確認する…。
その瞬間目に飛び込んできた光景は、あなたの忘れていた、この数瞬の記憶を呼び戻した。
曇天の下、崩壊した家々。
原型を成していないビル。
木々は倒れ、人々の気配は感じられない。
そこにいるのは、魔法少女の影…、使い魔たちだ。
死んだ町と化した見滝原。
…その中心に、ケタケタと耳障りな声で笑うワルプルギスの夜がいた。
その笑い声は、雨風の轟音のなかでも、やけにクリアに響き渡る。
仲良くしていたあの子。
関わりを避けてきたあの子。
一時は敵対したけれど、分かり会えたあの子。
…みんな、みんな死んでしまった…。
人の持てる力で、どうこうできる相手ではなかったのだ…。
災厄に勝つことなんて、災厄を倒すことなんて、やっぱり不可能だったのだ…。
…暗く、暗く。
絶望が、あなたの心を蝕んでいく。
ソウルジェムが、濁っていく…。
ゆっくりと、膝から崩れ落ちた。
ワルプルギスの夜が、そんなあなたに気づいたのかは、定かではない。
だがあなたの元へ飛来したのは、そんなあなたを殺すに十分こと足りる鈍器、ビルだった。
避けることもできない。
弾くこともできない。
そんな気力も、もはや残っていない…。
後悔と、恐怖と、絶望と、多くの感情のこもった、一滴の涙があなたの頬を伝う。
…そして、あなたは、目を閉じた…。
はい、絶対にバッドエンドになります。←
本家をリスペクトすると、こうなりますよね。←
まあ、クトゥルフとかの『それは一時しのぎに過ぎないのだ…』的なものだと思ってください。
あくまでも5話までで活躍して、秘密を探りあって、殴りあって、仲良くなる。そんな『過程』を『楽しんで』、最後はゆっくり絶望していってね!