トロイランド: 神話のテーマパーク

トロイランド: 神話のテーマパーク

ギリシャ・ローマ神話についての備忘録。映画をみたり、名画をみたり、本を読んだり。

この記事は、

新作映画『オデュッセイア』の複雑なプロットを

なるべく苦労せずに理解できるように

前もって『トロイ』を観ておこうと考えている人のために、

参考になりそうなことを整理する試みの連作です。

最初から読みたいかたはプロローグ

 

新作の方の『オデュッセイア』に関して

できる限りネタバレを避けるつもりですが、

『トロイ』に関するネタバレはあります。

 

前もって強調しておきたいのは、

『トロイ』も『オデュッセイア』も史実ではないことです。

この二つの映画も、

このブログで何年も前に採りあげた『ヘレン・オブ・トロイ』も、

フィクションなのです。

原作になったいくつかの古典文学も同様です。

 

原作にはオリンポスの神々が登場するので

ファンタジーであることはすぐに理解できるのですが、

映画の方では大河ドラマの様な演出で表現されているので、

歴史ロマンの様な印象を受けてしまう人も多いかもしれません。

 

でも、

トロイ戦争が実際にあったという裏づけになる証拠は、

これまでに発見されていません。

残っているのは、

いくつかの長編叙事詩という形の伝説と、

エーゲ海の東で現在のトルコに属する地域で発掘された何層もの遺跡のみです。

 

伝説として脚色された物語のもとになった戦争が実際にあった可能性もゼロではないかもしれませんが、

現在までの範囲では神話のなかのエピソードとして考えた方が良いです。

 

さあ!

前置きが長くなってしまいましたが、

『トロイ』について私の記憶を振り返ってみます。

まずはメネラオスからです。

 

(『トロイ』には、

2004年の劇場公開版と

2009年のディレクターズ・カット版がありますが、

今回の記事で扱うメネラオスについては、

どちらの版でも目立った違いはありません。)

 

ネラオスは、

古代ギリシャに沢山あった都市国家の一つであるミュヶナイの王子として生まれました。

長男ではなかったのでミュケナイの王にはならず、

ギリシャ内でスパルタ国の王家に婿入りして、

幸か不幸か美女として大評判の王女へレネと結婚します。

 

ところが、

この王妃は、

エーゲ海の東にあった大国トロイから来た王子パリスと恋に落ちて、

パリスと一緒にトロイへ行ってしまいます。

 

この駆け落ちが戦争の引き金となります。

両軍とも戦闘を繰り返して沢山の死傷者を出します。

 

そこで、

メネラオスとパリスによる1対1の代表戦で決着を付けようという合意に至ります。

 

『トロイ』では、

トロイ王家の長男でパリスの兄のヘクトルが、

逃げ回るパリスについつい加勢してしまい、

スパルタの王はあっさりと殺されてしまいます!

この部分は『トロイ』独自の変更であり、

この決闘を扱った古典文学や他の映像作品と違っています。

 

私が読んだり観たりした他の作品で、

メネラオスはずっと生きており、

最終的にはギリシャのスパルタに帰ります。

叙事詩の『オデュッセイア』や

イタリアのTVシリーズ (Odissea)では、

スパルタでへレネと一緒に暮らしています。

3時間ドラマの『オデュッセイア』にも生きて登場します。

 

この記事を読んだかたは、

内容を忘れてしまっても結構です。

ノーラン監督の『オデュッセイア』を観ている途中で、

きっと思い出すでしょう。

 

つづく