智子さんは、高校時代に付き合っていた彼が某県の大学に進学を決めた事により、自分も近くの短大への進学を決めたそうです。



智子さんが短大を卒業して、実家の親は田舎に戻すつもりだったらしいのですが、彼女の強い希望で、そのまま彼のいる街で就職する事になり、その頃から二人は同棲したそうです。



実家の親には内緒にしていましたが、いつまでも内緒にできるわけもなく


同棲して一年もたたない内に双方の親にばれ、すったもんだした揚げ句


彼の卒業を待って入籍するという事になったようです…。



彼女の母親は、娘の為に嫁入り仕度を早々と始め、実家には有名な着物の仕立て屋さんが出入りして、その度に彼女は実家に呼ばれ…



自分の為にしてくれているのだからと思ってはみるのですが、訳のわからない訪問着 色むじ つけさげ などなど、反物を肩にかけられては



やあ~よぉうつるわあ~この子色白いよってに



と…なぜか親戚のおばさんや近所の奥さんも上がり込み、智子さん自身はウンザリしたそうです…。



ある日、実家の母親から次の日曜に帰るようにと連絡がありました。



またまた、着物の事か~と思いつつこれも親孝行と実家に出向いたそうです…。



その日は、朝から体調が悪く、午後からの新幹線にして、乗車してからもずっと眠っていたそうです…。


眠っている間
夢をみました…。



自分が何処かのお座敷に座っています。座っている自分を見下ろすように髪を結い上げた女の人が立っています。



夢の中の自分は
何か悪い事をしたのか、正座をして下を向いて縮こまっています…。



智子さんは夢の中で、夢の中の自分を自分の背後三メートル位から見ていたといいます…


髪を結い上げた女の人は真っ黒い着物を着て、手に細い竹のような物を持っています…



細い竹といっても竹ボウキの一本の細さですから、ほんとうに細い細い竹です。



女の人は怒っているようで、手のひらにあてていた竹で座っている智子さんを打とうとして手を振り上げ、瞬間的に思わず



やめてっ!!



と叫んでしまいました…。



聞こえたのか!?
女の人が背後から見ている智子さん目掛けて物凄い形相で



おまえ~と叫んで一瞬で智子さんの目の前に現れたそうです…。



次回つづく…



ここでいう式服とは、喪服の事です。



女性は嫁入り道具の一つに家紋入りの喪服をあつらえます。



家紋といっても
育った家の家紋ではなく母親と同じ家紋を入れます。


母親もまた、育った家の家紋を入れているのではなく、そのまた母親と同じ家紋を入れています。



喪服にいれる家紋というのは、母親から娘へと代々変わることなく受け継がれていきます…。



ここ最近では、
喪服をあつらえて嫁入りする人も少なくなってきているようです…。



今では貸衣装でことたりるからです。



でも田舎の方では嫁入り仕度の着物の中に必ず喪服を入れている人もたくさんいます。



私の友人の幼なじみの智子さんという人は、結婚が決まる前から、喪服を始め、つけさげ 訪問着 などたくさん着物をあつらえて準備していたといいます…。



今回は、智子さんが体験した喪服にまつわる不思議話です。



次回つづく…