翔(あきら)さんは学生時代からホストになる事だけを目的として自分に磨きをかけていたそうです



むろん容姿には多少なりとも自信がありました



本音は自分ほどの容姿の整った男は他にいないと思っていたそうです…


なぜホストなのかというと…



中学の四つ上の先輩がホストになり高級車を乗り回し、ブランド物のスーツに高級腕時計等々を身に着け、それが羨ましく
あの先輩の容姿でああなれるんだから自分はあれ以上の物を手に入れられると信じて疑わなかったそうです…



高校を卒業してすぐに上京し、先輩が勤めるホストクラブにと…。



しかし、現実は20を過ぎるまで雇えないと あっさり断られてしまいました…



それでもどうにかこうにか頼み込みオーナーが借りて住まわせてやっていた数人のメンバーの炊事や洗濯などの世話役として住み込む事を許されたそうです…



食事の世話などの家事は大変で辛い事もあったそうですが、いつか店に出てNo.1に上り詰める事を夢みて頑張ったそうです…


そして下積み生活を終えた翔さんが店に出る事を許されても、やはり下っぱから積み上げなくてはならず、いつの間にか月日は流れ、別の店から引き抜かれてきた年下ホストのヘルプに入る事もしばしば…



指名や同伴の声もかからず
何かちげーよ!!
俺、何やってんだろ~と思いつつも、どうする事もできなくて…



ちょうどそんな現実に嫌気がさしてきた頃



新規の客が来ました…



その日は客の入りがよく、同僚達は皆常連のお客様で忙しく、ヘルプに入っていた翔さん一人がテーブルにつきました…



深々とお辞儀をして片膝を立てて名刺を渡します…



この間に女性の身なりをチェックし、金を落としてくれそうな客かどうか判断するそうです…



履いている靴をみれば、女性の職業までわかるというのです…



女性はその身なりから主婦のようだったとか…



その客は、ただ黙って水割りに一度口をつけただけで、何も喋らず、まるで通夜の席にきているかのように沈んでいたそうです…。



何なんだよ~この客、久々に新規のお得意様を開拓しようってゆうのに…



どーせ旦那の浮気の腹いせにでも来てんだろうけど、勘弁してくれよ~


なんて思いながらも、そこはホスト何とかパッと明るい気持ちで帰してあげたいと冗談を言ったり、誉めあげたりと明るく接し、そのかいあって女性の顔から少しづつ笑みがこぼれ出したそうです…



よくよく聞いてみると、以前から一度ホストクラブに来てみたかった、友達にも誘われた事があったけど、来る時は一人で来たいと思っていた事などを話てくれたそうです…



一時間かそこらで女性は帰って行ったそうです…。



数日後、翔さんに指名が入りました久々の指名に気合いも入り席に行くと、この間の主婦らしき女性でした。



俺の勘違いか?
数日前に来た時と同じ格好のようでした…。



この間と同じように水割りに一度口をつけただけで、後はダンマリです。



また同じように冗談を言い、少しずつ笑みがこぼれ、一度ホストクラブへ来てみたかった友達にも誘われたけど来る時は一人で来たいと思っていたと…



小一時間ほどで帰って行きました…


来た格好も、話す内容もこの間と全く同じなので、不思議に思ったそうですが、この時はまださほど気にも止めていなかったそうです…



…次回つづく
ホストクラブ…


行った事ない人が殆んどではないでしょうか…



イメージとしては、お金持ちの女の人が遊びにゆく処


テレビで放映されていたような、一晩で売上を競う、ド派手な催しだとか、何十万もするお酒をあけさせたりだとか…華やかさの中に普通の人間にはついてゆけない世界…と思ってしまっていませんか



実際には、お金持ちの女の人は極々僅かで、そうでない人も気軽に入れるホストクラブも多々あるらしいです…



最も数年前あたりから最近でも、ホテルのディナーバイキングの後、オカマバーへ繰り出すツアーが、オバチャン達には根強い人気だとか…


さてさて
前置きはこのぐらいにして



今回はホストクラブにまつわる怪話をご紹介します…


次回つづく…
智子さんは、これが夢だと薄々わかっていたといいます…



髪を結い上げた黒い着物の女が目の前に現れた時は、さすがにびっくりして後ずさりしたそうですが…



どうせ夢だとわかっていましたし、そのうち目がさめるだろうと考えていたので、怯むことなく女を睨みつけたといいます…。



ただ夢の中の自分を救う為に…



目の前の女は、どこか悲しげで
眉毛がなく歯もなく見るからに今の時代の人ではない事はすぐわかりました



女が着ている着物は喪服のようで、葉っぱのような紋が3つ入っていたそうです…



その喪服からは
ショウノウのような匂いがして
何とも古くさいような懐かしいような匂いだったそうです…



ここまでで智子さんは目をさましたそうです…



何とも不思議な夢を見たものだと思いつつ、駅から実家まではバスで40分



ついた頃には日が暮れていました



その頃には体調もよくなっていたようで、兄夫婦も呼んで夕食を一緒に食べました…



その席で智子さんは、新幹線の中で見た夢の事をはなしたそうです…



すると母親が
その紋って葉っぱが五枚ついたのが3つだった?と聞いたので



五枚かどうかわからないけど、とにかく葉っぱみたいなのが3つだったと答えた



母親は奥の間から半紙のような物をだしてきて



あんたが見たのはこれかいな



見ると半紙に
五枚の葉がついたのが3つ描いてあり、その下に五三の桐と書かれていました



これこれ!
私が見たのは
この紋だった!



母親は父親と顔を見合わせ



その場はそれで何の説明もなく終わったそうです…



詳細は…



智子さんの母方の祖母の母親(智子さんの曾祖母)の実家は九州地方の旧家で、曾祖母の父親は立派なヒゲをたくわえた軍人だったそうです。



曾祖母の実家は、村の外れまで自分の土地だけを通って行けるほど裕福で曾祖母は早くに母親を病気で亡くしたそうです…



今でいう結核
当時では不治の病として恐れられていました



最期まで納屋に隔離され一人寂しく息をひきとったとか…



曾祖母の父親はまだ妻が亡くなる前に後添いを迎え入れ幼くして母親から引き離された曾祖母を不憫に思い継母はとても可愛がってくれたそうですが、どうしても受け入れられず反発ばかりしていたそうです…



智子さんの曾祖母は嫁入りの時、手で縫いあげた継母の五三の桐の紋が入った喪服ではなく実母の家紋を入れた喪服を持ってきたそうです…



そして智子さんの祖母もその娘にあたる智子さんの母親もまた同じ梅鉢の家紋を入れた喪服を持たされたそうです…



軍人の父親と継母の間には子供が出来ず、継母は智子さんの曾祖母を我が子のように可愛がりましたが、曾祖母はかたくなに受け入れず19歳の時、集団就職で大阪の地に移り住んだといいます…。


もちろん智子さん自信も梅鉢の家紋入りの喪服を仕立てて持って嫁ぐつもりだったそうですが、曾祖母の継母の無念のようなものを察し喪服はつくらずに嫁いだそうです…。



家紋や喪服自体に何の意味があるのか、わかりませんが母親から娘へ、そのまた娘へと継ないでゆくという意味ではそれなりに大切な事なのでしょうか…。