「子宝」
という日本語があります。
親にとって何よりもまさる宝
つまり子どものこと
です。
でも、自分の子どもに向かって
「おまえは宝だよ」と日常的に言う親を
見たことがありません。
少なくとも日本では。
ドイツ語では
"Mein Schatz"
(マイン・シャッツ / わたしの宝)
という表現があります。
それは
恋人同士だったり
夫婦間であったり
大人から子どもに向けて
呼びかけとして使われます。
きっと英語でいう
"my dear" とか "my darling"
という感じですね。
面白いことに
デンマーク語でも
まったく同じ表現があるのです。
"min skat"
(ミン・スカット / わたしの宝)
ドイツ語とデンマーク語の共通点に
気づいて
ふと思ったことがあります。
1日に1回でも
「わたしの宝」って言ってもらえる子どもって
幸せだなって。
たとえそれが
決まった言い回しで
習慣化していたとしても
言葉に言霊が宿っていると信じるならば
「宝」と発せられた言葉は
やはり「宝」として輝くんだと思います。
日本語にはそう言う表現がないから
思っていても言わなくてもいい。
そういう発想は勿体無いような気がしてきました。
心でいくら感謝していても
「ありがとう」の一言を言わないと
伝わらないように
「わたしの宝だよ」って言わないと
子どもには伝わらない。
「宝」でなくても
しっくりくる言葉があるんじゃないかな
どこかにある言葉を探したく
なってきました。
最初は不自然でも
ずっと言い続けていれば
良い言葉は
いつかは自然になるはずです。
言霊を信じて
幸せな親子が増えたらいいなと思います。
by sen
from Denmark