北欧ヴィンテージ雑貨のエッセイがスタートしました!
これから骨董を通して
デンマークの文化について
書いてみたいたいと思っています。
第1回は「ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンから広がる世界」
ホッキョクグマのこどもたち
半分ふざけてじゃれ合っているの?それとも、真剣勝負?相手に覆いかぶさるようにしてホッキョクグマのこぐまが左腕を振りかざしています。膝を押さえつけられて動きを封じられたもう1匹のこぐまは寝転んだまま、どうやって攻撃をかわすのでしょう。大きく開いた2匹の口からは今にも低い唸り声が聞こえてきそうです。
フィギュリン「ホッキョクグマのこぐまたち レスリング(Polarbear Cubs Wrestling)」をデザインしたのはロイヤルコペンハーゲンで長い間フィギュリンの製作を務めたクヌル・クーン(Knud Kyhn 1880-1969)です。彼は動物の中でも特にクマを愛し、数多くのクマの作品を残したことで知られています。
驚くことに、ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンの半数以上が動物です。クーンの作品を見ても、熊、犬、家畜、ファウヌス(半人半羊の林農牧畜の神)や鳥など動物ばかり。いかに動物が重要なカテゴリーになっているかが窺い知れます。
ところで、コペンハーゲンにあるロイヤルコペンハーゲンの本店を訪れた時のこと。
思いがけずこのこぐまたちの復刻版に出会いました。復刻版はやや小ぶりで、ヴィンテージ品よりもひと回り小さい印象でした。それでも、今現在も作り続けられているという事実がとても嬉しかったことを覚えています。(続く)