介護が始まってからの花子と太郎はこうだ。

花子は、
「自分が家事をやってるんだから、
太郎とお前は、私に合わせなさい。」と言う。

太郎は、
「自分は病気なんだから、
花子とお前は、私に合わせなさい。」と思っている。

そしてこの二人は、
昔から何か有る事に、何故か姉には頼まない。
まっ、姉は当てにならないからである。

姉は一つ頼んだら、一つで終わる。
よく言えば堅実だが、悪く言えば気が利かない。
私は、一つ頼まれれば、それ以上に動く。
よく言えば気が効くが、悪く言えば大きなお世話なのだ。

姉と私は正反対なのである。
さすが親だけある。よく性格を知っている。

私が花子の代わりに家事をすると、
花子は
「悪いねー。すみませんねー。お手数おかけして」と、言う。
しかし、姉がすると
「ありがとうねー」とニコニコ顔で言う。
この違い、昔から不思議だった。
何故に不平等なのか?と。

この様な日常でも、仕方がないとやってきたが、花子の言動に私もそろそろ限界がきた。

「仕事辞めてくれって私言ってないし」
(はい、言われてません)

「洗濯こんなやり方じゃないんだよー。」
(いやー、洗濯機のボタン押しただけ)

「はいはい、有り難く感謝してますよ」
(無理におっしゃらなくても)

「勝手にやってんでしょ」
(勝手にやらして頂いてます)

「やってくれって頼んでないよね」
(はい、勝手にやらして頂いています)

まぁ、流石にこんな事を何故私が毎日の様に言われなきゃならないのか?

太郎は太郎で、呼吸苦になった時に使わなきゃならない薬を使いたがらない。

言う事を聞かないのだ。

他の事ならまだしも、命を繋げる大切な薬なのだ。
お使いだって、薬をもらいに行くのだって何だって手となり足となり、頑張っていたつもりだった。
決して、やってやってるとは思ってもいないし、ただの家族の手伝いだと思ってやっていた。 

花子に、
「花子、そう言う言い方はないんじゃないの?」とゆっくりと私が話すと、

花子は「誰も頼んでないし、私一人で出来る」と言い切った。

太郎に、
「太郎、その薬だけは使わなきゃいけないんだよ」とゆっくりと私が話すと、

太郎は「うるさい。嫌なんだから仕方がない」と言い捨てた。

はーーーーい!
わたし。

ブチ切れました!

バッチリ切れました。ヤンキー並みの勢いで!

「あんたら、いい加減にしなさいよ。

え???花子さん!
一人でなんでも出来るって言ったね!
やって貰おうじゃないの。冗談じゃないよ。

太郎さん!薬が嫌だ???? 
呼吸苦しくて、やらなきゃいけない薬を嫌がるとは。何言ってんの?

あんたら、勝手にせーーーー。
ふざけんなーーーーーーーーー!!」

と、気がついたら運転して帰宅していました。

その後、友達に話を聞いて貰いましたが、その日からイライラムカムカ。

そして、私は家族の承諾を得て、
太郎と花子には一切連絡をせず、実家へも行かず、
車で北へ向かいました。
私の大好きな叔母が眠っているお墓へ。