関西地方を中心とした様々な撮影スポットを紹介する本ブログ。

 

今回は、番外編としてカメラの基礎知識編で「シャッタースピード」がテーマ。

 

知っている人も多いと思うので、知識のある方やすでに実践している方は読み飛ばし、画像だけ楽しんで頂ければOKです(^^)

 

スマホ撮影もそうだし、コンデジ、一眼カメラも全てひっくるめて、シャッターを切る時は「絞り」「シャッタースピード」「ISO」の3つが組み合わさっている。オート撮影ではカメラ本体がそれらのバランスを考え、ブレないように設定してくれているのだ。

 

しかし、オート撮影は「手持ちでブレない」ことを大前提としてプログラミングされているため、シャッタースピードをその環境内において極限まで高くキープし、「絞りは開放気味(つまり、F値が低い)」&「ISO感度高め(暗い場所でもブレずに撮影できる)」のバランスで成り立っている。

 

逆の言い方をすると、オート撮影ではスローシャッターになるのは後回しになってしまうのだ。多くの人が「手持ち撮影をする」ことが大前提なので、ある意味当然と言えよう。

 

しかし、それゆえにオート撮影ばかりに頼るとスローシャッターでしか味わえない芸術性というか「妙」というか、ちょっと不思議な描写は永遠に実現しない。

 

たとえば、手持ちでオート撮影で清流を撮ると、こんな感じ↓↓

 

 

これはオート撮影。シャッタースピードが1/160で、F値は3.5 ISOは400である。いわゆる皆さんの想像する違和感のない渓流の一角である。オート撮影に設定する限り、どのカメラで撮っても同じような描写になるだろう。

 

しかし、一眼カメラだけでなく、コンデジもスマホも、意図的にシャッタースピードを変えれることをご存じだろうか?シャッタースピードを遅く設定すると、同じ構図でも人間の目では実現できない不思議な描写になるのだっ!

 

ただしシャッタースピードが遅くなると、手持ちの場合100%ブレてしまうという欠点があるから三脚が必須になる。三脚を持ってゆくのは確かに手間だけど最後に紹介する画像のような描写になれば「三脚を使って良かった!こんな素敵な写真になった。ブログ主よ、ありがとな!」と思ってもらえると思う。

 

俺もね、写真撮影を趣味にする若い頃は「三脚使うヤツなんて、手がプルプル震える老人か、手持ち撮影がそもそもできないヘタクソなヤツだろう」と思っていたのだが、まぁ今となっては恥ずかしいwww三脚を使うことでしか実現できない「妙」を知ってしまった以上、「水流沼」にハマらずにいられなかったのだ。

 

シャッタースピードがどういった数値なら三脚が必要かは人によって異なるが、個人的には1/20秒よりも遅く設定するなら三脚が必須。でもかつて写真仲間で「手持ちで1/2秒」という、シラサギが川辺でたたずんでいる写真を見た時は絶句した。まったくブレてなく、何かのコンテストで「銀賞」を獲得していたほど素晴らしい写真だった。

 

さて、ちょっと重要な知識になるから覚えておいてほしいのが、三脚を使う・使わないはさておき、シャッタースピードを意図的に遅めに設定するなら、現地の明るさによっては「露出オーバー」になってしまうのでISOは最低値の100に(まぁ普段から100が望ましい)、そしてF値は高めにする必要がある。余談だがF値を高くすることを「絞る」と言い、F値を小さくすると「開く」「開放気味にする」と言う。

 

失敗例として、シャッタースピードが遅い&ISO高い&F値が低いとなれば、露出オーバーで画像が明るくなりすぎたり、それを通り越して部分的に真っ白になったりと、取り返しがつかなくなる。つまり、シャッタースピードを手動でいじれば、ISOとF値も必然的に手動でいじらねば全体のバランスが取れないのだ。まぁカメラの設定によっては、シャッタースピードだけ手動で設定し、F値はカメラが自動的に判断してくれるモードもある。

 

「あーーー!めんどくせえ!」という人はずっと自動オート撮影で良い。少しの知識と手動設定で芸術的な描写を目指したいなら実践すればよい。それだけなのだ。

 

さて、同じ構図でシャッタースピードをちょっとずつ遅くした画像を並べるので、見比べてほしい。

 

まずはシャッタースピード1/125 ISO400 F値3.5↓↓

 

 

次にシャッタースピード0.2秒 ISO100 F値8↓↓

 

 

ほら、もう違いが分かるでしょ??後者はオート撮影ではまず実現しないだろう。

 

 

次はシャッタースピード1.3秒 ISO100 F値22.0(めちゃ絞った)↓↓

 

 

もう、ここまでくると、人間の目を越えてるでしょ???

 

これ以上になると正直あまり大差が無いが、シャッタースピード1.6秒と2秒を紹介↓↓

 

 

 

みなさんもせっかくカメラを持っているのであれば、三脚も購入して「スローシャッター沼」への一歩を踏み出してほしいな(^^)v