関西地方を中心とした様々な撮影スポットを紹介する本ブログ。

 

今回は番外編で、撮影スポットの紹介ではなく梅雨時期にぴったりの被写体・睡蓮(睡蓮花)を題材にする。

 

仏教のシンボルとして非常に有名なのは言うまでもないだろう。

 

 

 

静寂の水辺にたたずんでいる姿を見ると、その美しさ・鮮やかさに感動し、本当に仏さまが座している雰囲気になり、凝視しているとお説法の場に吸い込まれるような畏れ多い気持ちになる。

 

今回は被写体である睡蓮と、周囲の池や睡蓮の葉の明暗差をくっきりと付けることで、睡蓮が浮かび上がっているような、かつ睡蓮そのものが発光しているような補正を試みた。

 

背景を暗くすることで幽玄さが増し、「暗闇から出現する仏の慈悲」みたいなものが表現できればなと思ったのだ。

 

並べてアップするが、補正前は全体的に明るさがある作品。補正後は背景を暗くし、被写体の睡蓮の明るさを色潰れしない程度にギリギリまでアップさせて明暗差を強調。

 

どちらが好きかは好みの問題だが、後者の方が霊験あらたかで、どことなく宗教的で神々しい感じだと思う。

 

補正前↓↓

 

 

補正後↓↓

 

 

 

補正前↓↓

 

 

補正後↓↓

 

 

補正前↓↓

 

 

補正後↓↓

 

 

 

補正前↓↓

 

 

補正後↓↓(トリミングもした)

 

 

 

今回はたまたま睡蓮を取り上げたが、明暗差の有無についてはどちらが良いというものではなく、撮影者がどう表現したいか、が大切なのである。言わば自己満足の部分になるのだが(汗)

 

注意点としては、明暗差をつけると言っても「背景が真っ暗」にならないように補正すること。今回紹介した「補正後」は、蓮の葉の緑をうっすらと残している。ここも真っ黒にしてしまうと、あたかも睡蓮花をちぎって持ち帰り、真っ黒な紙の上に置いて撮影した、みたいな不自然な画になってしまう。ほんのりと背景の色を残すことで「ああ、うっすら見える緑は葉っぱだな。完全に黒い部分は水面だな」と、見たものが分かるような表現を心掛けるのがセオリーなのだ。

 

薔薇などが被写体であればまた話が異なってくる。薔薇は花屋さんで入手できる。気軽に入手(購入)できるってことは、気軽に色んな所に持って行ける。色んな所に配置ができる。つまり、自由度が効くので薔薇を被写体にして背景を「真っ黒」は別に違和感はない。薔薇だけでなく、気軽に入手できて室内や店内に持ち込めるような花。

 

しかし今回紹介している睡蓮や金色の稲穂が花屋さんで売られているのを見たことが無い。つまり、特定の時期に特定の場所でしか見られないものなのだ。そのようなケースは、よほどの事情がない限り逸脱した補正は避けた方が良い。繰り返しになるが、よっぽどのこだわり(それを表現したい事由)がなければ背景を完全真っ暗にするのは得策ではないかも。。。。

 

コントラストに強弱差(明るい部分を明るくし、暗くなりそうな部分を暗くする)を付けたい場合は「なぜそうしたいのか、どういう意図か」「不自然ではないか(強弱差を付けるに値するか)」を客観的熟慮して補正すべし。