犯人が逮捕されたら危難は去る。そう思っている人は果たしてどれだけいるのだろうか。


当然のことながら、犯罪が起きた場合、その解決に当たっては、社会的要因よりもまず第一に非難されるべき犯人を適正に処罰することだろう。


けれども、犯人が逮捕され処罰され、事件が一部の人以外に忘れられてしまい、もう過去のものとして取り扱われる姿はとても危うい。


今年起きた様々な事件、秋葉原の無差別事件、幼児誘拐事件等々。向こう側の問題として捉えていては、永久に問題は解決しない。犯人を非難するのはあまりに容易だからだ。どれだけ非難しても、何も事態は変わらない。


例えば、オウム事件にしても、オウムを解散させ、地元から追放すれば危難が去るわけではなく、彼らの「背後」に潜む要因を探らなければ(社会的要因だけとは限らない)、そして、その危難が本当に去ったのか疑う目を持たなければ、いつ同じような事態が起きるか分からない。


年々、都会の孤独死が増加し、全国の餓死者数が増加し、自殺者数は一向に減らない。ただでさえ、世知辛い世の中、危難が起こるたびに行き当たりばったりの感情をぶつけていては、何も前進しない。冷静に辛抱強く、真実を見る目を養うべきだと思う。