実は「超漢字シリーズ」は、OSとしてのその基本仕様はすでに20年前にすでに完成の域に達しています。今回の超漢字Vを、例えばこれまでのバージョンの超漢字4、超漢字3と比べても、そのデザインや操作感、各種アプリケーションの基本的な使用方法などについても、例えばWindowsやMac-OSに何度か見られたような、前バージョンと比べて劇的に変化するようなことは過去に一度もありませんでした。


そのため超漢字のみで完結する業務に活用する場合や、旧式パソコンを有効利用したい場合などにはある程度高度なマシンスペックが要求される超漢字Vではなく、前バージョンの超漢字4を単体のOSとしてパソコンに組み込み、「BTRON仕様OS『超漢字』パソコン」として、これからもずっと活用し続けていくことも大いに考えられます。
実は筆者も執筆に専念するときなど、複雑に入り組んだ情報を整理しやすく、人間の持つ有機的な思考と一致した独特のファイル管理構造である実身仮身モデルが落ち着いた気持ちにさせてくれることもあって、自作の「超漢字専用パソコン」を活用しています。
基本的に大変軽量であり、かつ極めて高速に処理が可能なパソコン用OSという特徴から数世代前のパソコン上でも実用上問題なく動作させることができます。古いパソコンを廃棄することなく活用する最良の手段の一つでしょう。


超漢字4以前のバージョンはBTRON仕様OSそのものであったため、パソコンにインストールすれば超漢字だけが組込まれたパソコンとして活用できました。
しかし超漢字VはWindows上で動作するアプリケーションソフトウェアという位置付けへと変化しましたので、以前の様な状態で使用したいというユーザーは、パソコンをフォーマットし、以前のバージョンの超漢字をインストールしなくてはなりません。
また超漢字Vを提供しているパーソナルメディア社によれば、超漢字Vは従来の超漢字シリーズとは異なり、OSとして単独で起動することはできないとのことです。


ただし実際には、超漢字Vの商品パッケージ内に「リカバリディスク」というCD-ROMが付属しており、実はこれが超漢字のOSとしてのシステムそのものであることから、このCD-ROMを利用して超漢字をインストールすることによって、WindowsやVMware Playerを使用しない、超漢字だけを組み込んだ「純粋な超漢字パソコン」を仕上げることができるのです。
これは従来の超漢字シリーズと同じスタイルであり、以前から超漢字を愛用している多くのユーザーにとっては朗報でしょう。しかし、超漢字Vのこのような使い方についてはその動作が保証されておらず、またメーカーによるサポートもないという点は意識しておく必要があります。