超漢字はBTRON仕様OSであり、もともとBTRONそのものがリアルタイムOSであるITRONを核としてその技術仕様が策定されていることから、ユーザーの操作に即時に対応できる高速なタスク処理が可能となっています。
そのため超漢字の動作は非常に軽快であり、まったく同じスペックのパソコンに超漢字以外の他のパソコン用OSをインストールした場合と比べても、超漢字の場合は起動から終了まで一貫して高速に動作します。
次の表は、現在の最新バージョンである超漢字Vの前バージョンである「超漢字4」が動作するパソコンの最低条件の仕様です。


「どうして前のバージョンを紹介するのか?」と思われるかもしれませんが、実は2006年10月の超漢字4から「超漢字V」へのバージョンアップにともなってその動作環境に大きな変化が生じたことから、あくまで単体のOSとして利用する場合の超漢字の動作環境として、この超漢字4の仕様が参考となるからです。


CPU

Intel Pentium486DXおよび互換CPUを含む)

メインメモリ

最低16MB、推奨32MB以上

ハードディスク

IDEタイプ

ハードディスクの

空き容量

600MB以上

外部記憶装置

CD-ROMとフロッピーディスク

キーボード

日本語または英語キーボード

ポインティングデバイス

マウス等

グラフィック

640×480ドット16VGA仕様以上

超漢字4が動作するパソコンの最低条件



超漢字4は、Windowsと同様にIBM-PC/AT互換機で動作します。PC/AT互換機とは、1984年に米IBM社から発売されたIBM PC/ATというパソコンと互換性のあるパソコンの総称であり、現在の事実上の世界標準となっているパソコンのハードウェア規格でもあります。一般的に「Windowsパソコン」と呼ばれる種類が該当します。それ以外にも「DOS/Vパソコン」、「IBM-PC互換機」などと呼ばれることもあります。


ところで前記のパソコンのスペックとしては現在のハイエンド※なパソコンの水準から見れば、非常に低い性能であることが分かります。しかもこのスペックで「どうにか動く」といった操作上の難点をともなうものではなく、実用上支障がない程度に動作させるための最低条件なのです。


※ハイエンド(high-end):高級、高価格、高性能、高品質


ただし長年超漢字を愛用してきた筆者の実感としては、超漢字4を実用上支障なく動作させるためのいわゆる「推奨条件」としては、CPU:166MHz以上、メインメモリ:32M以上、ハードディスク:1GB程度以上ではないかと考えています。この程度のスペックを備えていれば支障なく十分に超漢字を活用することができるでしょう。これは1990年代前半の標準的なパソコンのスペックです。
しかしパソコンの性能が低いとはいえ超漢字を実行する上での処理上の速度については問題ありません。超漢字はなんといっても起動が素早く、わずか数秒で立ち上がります。超漢字以外の他のOSの経験をもつ方ならば、きっとその快適な動作に驚くはずです。


自分がやりたいことに対して素早く答えてくれるコンピュータ。これこそがTRONプロジェクト全体に共通するリアルタイムOSが備えている最も重要な要素であり、また「どこでもコンピュータ」社会における「コミュニケーションマシン」としての個人用コンピュータの理想像でもあるのです。そしてBTRON仕様OSの超漢字は、現時点でその要望を満たしてくれる数少ないOSの一つなのです。


“TRONマニア”藤井講師のブログ

超漢字4は10年前のパソコンでも快適に動作する。


藤井講師研究室 http://www.ilovepc.jp