こんにちは。
2018年9月から、全国アリーナ規模の会場で、ユーミン史上初のベスト選曲により行われているコンサート、松任谷由実 『TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years 2018ー2019』に友人に誘われて参加してきたので、今日はその感想を書いておきます。
今回のツアーは、ユーミンのデビュー45周年を記念して開催されました。会場は日本武道館です。
ユーミンが過去に行った数々のツアーから、伝説の名場面が蘇る、まるでタイムマシーンに乗ったようなステージでした!
ユーミンファンなら、「あっ、あの時のステージだ」と思い出が蘇ったことでしょう。僕もその一人でした。
「松任谷由実 TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years」
◎ヴォーカル:松任谷由実さん
◎バンドメンバー:武部聡志さん・キーボード、小田原豊さん・ドラム、遠山哲朗さん・ギター、浜崎賢太さん・ベース、伊勢賢治さん・サックス
◎コーラス:佐々木詩織さん、亜美さん、今井マサキさん
◎ダンサー:TAKAYUKIさん、ZOYA BARKOVAさん、岩室由美さん、高橋千佳さん、堀田聖奈さん、平山ひかるさん、名和朋美さん、朝倉瑠美さん(aerial art dance project)、長谷川愛実さん(aerial art dance project)、板津由佳さん(aerial art dance project)、野上さとかさん(aerial art dance project)
◎セットリスト
1:ベルベット・イースター[ひこうき雲/1973年]
2:Happy Birthday to You ~ヴィーナスの誕生~[DAWN PURPLE/1991年]
3:砂の惑星[THE DANCING SUN/1994年]
4:WANDERERS[LOVE WARS/1989年]
5:ダンデライオン~遅咲きのタンポポ[VOYAGER/1983年]
6:守ってあげたい[昨晩お会いしましょう/1981年]
7:Hello,my friend[THE DANCING SUN/1994年]
8:かんらん車[流線形’80/1978年]
9:輪舞曲(ロンド)[KATHMANDU/1995年]
10:夕涼み[PEARL PIERCE/1982年]
11:春よ、来い[THE DANCING SUN/1994年]
12:Cowgirl Blues[Cowgirl Dreamin’/1997年]
13:もう愛は始まらない[DA・DI・DA/1985年]
14:Carry on[TEARS AND REASONS/1992年]
15:セシルの週末[時のないホテル/1980年]
16:ハートブレイク[VOYAGER/1983年]
17:結婚ルーレット[VOYAGER/1983年]
18:月曜日のロボット[ダイアモンドダストが消えぬまに/1987年]
19:ダイヤモンドダストが消えぬまに[ダイアモンドダストが消えぬまに/1987年]
20:不思議な体験[VOYAGER/1983年]
21:Nobody Else[Delight Slight Light KISS/1988年]
22:ESPER[REINCARNATION/1983年]
23:COBALT HOUR[COBALT HOUR/1975年]
24:宇宙図書館[宇宙図書館/2016年]
◎アンコール
1:カンナ8号線[昨晩お会いしましょう/1981年]
2:DESTINY[悲しいほどお天気/1979年]
3:ひこうき雲 [ひこうき雲/1973年]
◎ダブルアンコール
やさしさに包まれたなら[MISSLIM/1974年]
ユーミンは、昨年の大みそか放送の「第69回NHK紅白歌合戦」に7年ぶりに出場され、僕たちファンを喜ばせてくれました。
1曲目にはデビューアルバムに収録されていたユーミンの代表曲である「ひこうき雲」、そして2曲目には映画「魔女の宅急便」のエンディングテーマとしても知られる「やさしさに包まれたなら」を披露されました。
歌唱中に客席が映し出されると、多くの観客が曲を口ずさみ、なかには涙を溢れさせる方もいましたね〜。
楽曲が持つ圧倒的な力とユーミンの存在感はモニター越しにも熱く伝わりました。
歌手別視聴率ではサザンオールスターズと米津玄師さんに次ぐ第3位の43.7%をマークし、平成最後の紅白で、ファンのみならず、観た人全てを魅了したのです。
ユーミンが「視聴者からの投票」で選ばれて歌った2曲、「ひこうき雲」は1973年のデビューアルバムの表題曲、「やさしさに包まれたなら」は1974年のサードシングルです。
どちらも45年も前に発表された曲なのに、いつ聞いても全然古さを感じさせない、瑞々しい美しさに溢れた名曲で大好きです。
平成最後の紅白歌合戦で大きな話題をさらったのは、ユーミン&桑田佳祐さんでしたが、それは紅白歌合戦の視聴者の多くが50歳代以上の方が多いということだとも思いますし、全世代に共感され視聴者から受け入れられる存在がサザンとユーミン以外いなかったのかも知れないですね。
4月1日から、テレビ東京の平日夜のニュース番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」のエンディングテーマ曲をユーミンが担当することが発表されました。
番組のために書き下ろされた新曲で、タイトルは「深海の街」だそうです。新曲ですよ〜。楽しみです。
先月でしたか、僕の友人が銀座で仕事をしているので、たまに仕事帰りに寄るのですが、ある日、行きつけのデパートの地下食料品売場のパン屋さんに、とても個性的なファッションのスタイルの良い女性がいたのです。横にいた男性を見ると、松任谷正隆さんで、とするとこの女性は…とお顔を見ると、ユーミンでした〜。僕がいつも食べてるパンをユーミンご夫妻も食べているんだと思うと嬉しくなってしまいました(笑)。
どうでも良い話なんですけど(笑)。
1970年代から、数多くの楽曲を各年代ごとに残し、45年という長きに渡り、革新的なステージを生み出してきたユーミン。
今回もユーミンでしか実現できない、ユーミンだからこそ表現できる素晴らしいコンサートでした。
ほぼ全曲、歌詞を見なくても歌えてしまう曲ばかりでした〜。
ユーミンの曲は、若き日の僕の拙い恋愛経験と直結していることが多いので、聞くと切なくなるのですが、そういう方、多いでしょ?(笑)。
純粋で一生懸命に誰かを愛した日々の尊さを、思い出させてくれる玉手箱ですね〜ユーミンの曲は。
人は生きてゆく中で、「純粋」さを失ってはいけないんだと、ユーミンは曲の中で僕たちに語り続けているのだと思います。
どんな物だって、汚いより、綺麗な方が良いに決まってますよね。
特に「心」はそうでしょう?
忙しい日常の煩わしさに流されて、疲れがたまり、余裕が無くなり、心が汚れ、つい優しさを忘れがちになる…。
僕はそんな時、ユーミンの「さまよいの果て波は寄せる」や「水の影」という曲を聞くと泣いてしまいます。
悲しみって、1人で受け止めなければいけないんだって、ユーミンに教わった気がします。
僕もいい年になって、辛い時、寂しい時、哀しい時、嬉しい時、いつもユーミンの曲に励まされてきたんだと、あらためて感じました。
ユーミンが作る楽曲ってエキゾチックで、神秘的で壮大で、奥深くて、優れたエンタテインメント性を兼ね備えていて、時代を超えて、僕たちをいつも包み込んでくれる暖かさがあります。
今の日本で、ユーミンの影響を受けていないアーティストなんていないと思いますね。
いつまでも若々しいと思っても、ユーミンも年齢を重ねてらっしゃいます。そのことでユーミンの歌声についてあれこれおっしゃる方がいますが、ユーミンのあの声でなければ、どの曲も光り輝くことはできません。
ユーミンの声は、若い頃より力強くなっていると思いますよ。僕は。
あの声でなければ、僕は『ベルベット・イースター』は聞きたくもありません。
コンサートの最後に、ユーミンと観客みんなで歌った『やさしさに包まれたなら』は最高でした!
僕、声張っちゃいました(笑)。
この感動は一生、忘れないでしょう。
ありがとうございました。
最後に、日本を代表するクラシックの作曲家であり、エッセイストでもあった、團伊玖磨さんが書いたエッセイ集『好きな歌・嫌いな歌』に、『ひこうき雲』のことを書いた文章があるんです。
ユーミンファンなら知っている方は多いと思いますが、それを最後に書いておきます。
息子のレコードが積み重なっているダンボールの箱の中を掻き廻していたら、リンゴの印の付いたおびただしいビートルズのレコードに混じって、「HIKOKI GUMO」というレコードを見付けたので、それを聴いてみて吃驚した。とても良いからである。
荒井由実という若い娘が歌っていて、ジャケットにも何にも書いてないのでよく判らないのだが、歌もピアノも作詩も作曲も全部彼女がしているらしい。 先ず詩が良い。第一曲の「ひこうき雲」を聞いて僕はそう思った。第二曲以下、このレコードには全十曲が入っていて、その全部を聞いて、僕は重ねてそう思った。それと同時に、メロディーに不要な装飾が無く、その事が詩を生かすのだと言う事も気付いた。
この娘の上にはいつも曇り空が拡がっていて、どの歌からも、クールな、現代の無愛想さが、不思議なリリシズムとなって流れて来る。そして、よく聴いていると、一見無愛想に動くような動かないようなメロディーが 、単に決して無愛想なものでは無い事が感じられて来る。何でも無いように感じられて、何でもあるのだと感じるのは僕だけであろうか。
何回か聴いてみて一番良いのは矢張りこのレコード全体の名前にもなっているだけに「ひこうき雲」なのかも知れないと思った。この歌は、ルフランを持っていて、二度目のルフランの最後の盛り上げが、常識的にではあるにせよ、印象的である。
"空に憧れて 空をかけてゆく あの子の命はひこうき雲 "
もう一つ「紙ヒコーキ」という、紙ヒコーキにあてどない愛の言葉を走り書きして曇り空に放す、という歌も、何でも無いのに何でもあって、良いと思った。
正直のところ、荒井由実という女性がどういう人か僕は全然知らない。然し、これらの歌は僕を惹き付けた。こういう関係こそ、音楽とそれを聞く人間との一番純粋な段どりだと思う。僕はこのレコードが、いつから息子のレコード箱の中にあったのかも知らない。古くからあったのか、最近のものなのか、それも知らない。
沢山の歌が出来、沢山の歌が街を流れ、そして消えて行く。然し、その中に、ぎょっとする宝物が流れている事があるのを、聞き過ごしてはいけないのだ。僕は、このレコ ードを聴いて、小さな宝物を見付けた事を幸福に思った。
素敵な文章でしょ〜。
ユーミンは、これからも歌い続けると言ってくれました。
ユーミンがいてくれる限り、僕の青春は終わらない。
そう思います。
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