こんばんは。

私事で恐縮なのですが
今月の15日付で勤めていたデザイン会社を
退職することになりました。

こんなことをブログに書くのはどうかとも
思いましたが、自分が今置かれている状況を
書き残しておくのもいいかなと思いました。

阪神淡路大震災の1年後上京し、今勤めているデザイン事務所に
お世話になって15年間、色んなことがありました。
たくさんの人に出会い、たくさんの経験をさせていただきました。

僕が入社した当時の会社は都内2カ所にマンションを合計4部屋も
借りていて、仕事も途切れなくあり、刺激的な毎日でした。

デザイン部門を仕切っていたアートディレクターが厳しい人で
なかなかアシスタントがいつかずにみんな辞めてしまった時に
僕が入社したので、とても大切にしてもらっていました。
仕事は楽しかったです。東京という街で友達もでき充実していました。

3年くらい前に新しくアシスタントとして一人女性のデザイナーを
雇いました。それからどこの業界もそうだと思いますが、
景気がだんだん悪くなり次第に仕事の量が減り、借りていた
マンションも一つづつ減り、収入も社員全員カットされ、この2年間
ボーナスもちゃんと貰えない状況だったのです。
それでも会社が好きだったし、仕事も好きだったのでまたいつか
景気もよくなればと思い、自分なりにがんばっていたつもりでした。

2年前に僕の担当の仕事でクライアントと小さなトラブルがあり
今まででしたら軽く流せる程度のことでも、そういう状況だと
少しのミスでも取り返しがつかないことになってしまうことが
あるんですね。その時はクライアントの担当者が新人で、自分の
失敗を認めようとしない人だったんです。こちらが聞いてないこと
でも「言いましたよ!」と言ったり、急に怒りだしたり、ちょっと
仕事がしづらい人だったのです。

簡単な仕事でもいつのまにかややこしくなってしまって、
僕とは仕事がし辛いと逆にその担当者からディレクターに話が行き、
僕が会社の重役たちから注意をされることが度々起こるように
なった時期があったのです。僕はいつも仕事に対しては誠実に
相手と向き合って制作していたつもりだし、ディレクターも
わかってくれていると思っていたのにとショックでした。

それからなんとなくディレクターとの関係が以前より
よそよそしくなり、僕にはあまり大きな仕事が回ってこなく
なりました。ディレクターとその女性アシスタントの間に挟まれて、
僕の立場は微妙になっていきました。会社としても10年以上努めているし、
給料も今までの実績を考えれば、そこそこ払わなければ
いけないし、仕事も減ってきているのにちゃんとやってくれよ
という無言の圧力を感じるようになっていきました。

僕も鈍感ではないので薄々そういう空気は感じていました。
今年に入ってからは特にです。会社を辞めるにしても住宅ローン
や老いた父親のことを考えたら、なかなか自分から辞めますとは
言えなかったですね。

そして11月の30日に社長から話があり申し訳ないけれど
会社がこういう状況だし辞めてもらえないかと言われたのです。
僕はそういう予感はあったし、覚悟もしていたのでそんなに
驚きはなく、淡々と受け入れました。

こういう状態で会社に居続けても何も変わりはしないと
分かっていました。ただ自分から言いだす勇気がもてなかった
だけなんです。社会が悪いからとか、国の経済対策がなっとらん
からだとかそんなことは思っていません。
自分にも何か非があったのかも知れないし。大げさですけど
運命の流れに従うしかないと思いました。

会社がこうなる前にもう少しなんとか出来ることもあったんじゃ
ないかと社長には言いたいですけどね。こうなったのは僕に
責任があるんだと遠回しに言ってましたけど。
トップがダメだとチームやグループってうまくいかなくなる
ものなんですよね。

でも僕、今この先すごい不安もありますけど、なぜか清々しい
気分なんです。新しい人生が始まるんだなあという期待ですね。
強がってますけど嘆いていてもしょうがないし。
デザインという仕事に興味があまりもてなくなってきています。
これからどう生きるのかしばし考えたいと思います。
作詩の仕事は続けますよ。いつかちゃんと認められる日がくるまで。

僕の個人的な話に付き合っていただいてありがとうございます。
今の世の中、こんなことありふれた事の一つですから。
同じ経験をされた方、無理せず自分の進むべき道を探して
いきましょう。

今年は大きな災害が起きたり、甥が事故死したり、リストラ
されたり、あっという間に終わってしまいそうです。