レッスンに通う生徒さんの目的は人それぞれです。
それにより講師のレッスンの指針も変わってきますが、私が生徒さんの目標にかかわらずに目指しているものがあります。
それはその生徒さんが自分のレッスンに対して「本当の良い表情」をしてくれるかどうかというものです。
例えば人は、誰にでも趣味や趣向があり、それを人に語るときにはものすごい良い表情をします。
私の生徒さんは中学生や高校生が多いのですが、自分がそのころは週刊少年ジャンプが黄金期、月刊少年ガンガンが創刊、ゲームではアーケードゲーム全盛期、そして次世代機の争いなどがあり学校では毎日話題で持ちきりでした。今その頃を振り返ってみても本当に楽しい時期だったと思います。
自分が友達と共通の趣味について語るとき、それは何物にも代えがたい大切な時間でした。
その時の友人の表情を今でも克明に覚えていますが、本当に「良い表情」をしていました。
自分の表情を確認することはもちろん不可能ですが、いつもより饒舌になったり身振り手振りが多くなったり、大声になってしまっていたものです。
私はレッスン時にそれとなく音楽以外の話題を出すことがあります。
マンガ、アニメ、ゲーム、小説、スポーツ、トレカ等、その中に生徒さんが食いついてくるものがあると、話題をそちらへ持っていき自分が知らないことは質問して教えてもらいます。その時の生徒さんの表情を観察してみると本当に楽しそうに私に教えてくれます。
心から物事を楽しんでいる時、それを人に語るとき、それは必ず表情に出ます。
そしてそれは必ず人に伝わります。
私は生徒さんがそれと同等の「良い表情」を私のレッスンに対してしてくれることを目標にしています。