※GL・百合の意味がわからない方、これらの言葉に苦手意識を抱く方は閲覧をご遠慮ください。

また、カラ子×一子が嫌いな方もです。

こちらでは差別語ととられるような言葉を自虐のような意味合いで、わざと使っています。決してセlクlシlュlアlリlテlィlーを貶めているわけではありません。敏感な方は閲覧をおすすめしません。

設定だけは続いている。話の内容も続いているといえばそうだけど単発でも読めます。そんな気がする。

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そこはいつものごとく、暗い空に反抗するかのように人工的な灯りが光り輝いていた。

どの店も看板は一層電飾で照らされていて、どれも代わり映えはしていない。

女性と女性が愛を求め、ロマンスに浸るこの店もそうだった。他に倣い、看板は読みやすいように電飾で飾られていて、素知らぬふりで周りと「同じ」顔をして存在していた。

 

「あ〜〜〜っ、たくよぉ……」

 

ドン、と勢いよくカウンターにグラスが置かれる音が響く。だがグラス自体は、現在の所有者がなだれるようにべたりと寝そべり、腕で囲うようにして守られてあったので限られた角度からしかその存在を目で確かめることはできなかった。

多分あの客だろう、というようにチョロ子の背中に驚きと憐れみの視線が突き刺さる。

 
「あらぁ?そこにいるのは、つい先日男と婚約して『私ノンケだから関係ないですぅ』ってこの世界の仲間を見捨てたチョロ子さんじゃあありませんこと?」
 
あ゛?と臓物の底から響かせ、怒気をたっぷりと孕んだ声と共にチョロ子は後ろを振り返る。おとなしいフレームの奥に潜む眼光鋭い眼(まなこ)で睨めつけたその先には、夕方で多少崩れた印象のあるスーツを纏った、顔なじみが立っていた。
 
「おそ子……」
「あぁ~ら失礼。もうご結婚なさったんでしたっけね?新妻が、男と結婚したノンケの新妻がこお~んなところにいていいのかしらぁ~?」
 
仰々しくエセセレブのような口調と、チョイスする言葉で馬鹿にしているのは明らかである。更にいえば顔もうるさい。まさに、他人の不幸は密の味といったような、隠す気のない歓喜で目尻は下がり、セレブの真似事をしている、覆う気のない手の陰になっている口角もにやりとあがっている。厭らしい。
 
「チッ…わかってるくせによぉ……」
「エ!婚約指輪を一緒に選んで金を出してから、音信不通になったですってぇ!?彼の情報はすべて嘘!?やり手の結婚詐欺師だった!?んまーっ!!」
 

おかわいそうに、と憐れむ言葉とは裏腹にヨホホとおそ子は高らかに笑う。彼女が喜べば喜ぶほど反対にチョロ子はむかむかと胃の腑でアルコールと胃液が煮立つような感覚を覚える。

 

「そーいう、てめぇーこそここで泣きべそかきながら婚約発表した女はどうなったんだよぉー?あ?貢ぐだけ貢いで?あの女三股してたのが発覚したって?ゆるガバ野郎に騙されんの何回目だよ鶏頭」

「三股じゃないわよ!!五股よ!」

「どうでもいいし数増えてんじゃねえか……」

 

許可を求めることなくおそ子は当たり前のように隣に座る。腹立てていても長年の親友だ。チョロ子も慣れっこなのでそれについては咎めなかった。おそ子はカウンターの向こうにいる美人に、いつもの、と慣れた様子で飲み物を頼む。それから、先ほどまでのチョロ子と同じくぐたりとカウンターに崩れた。

 

「も~~~~~ほんとヤダあのクソアマ……いつか今まで泣かせてきた女に囲まれて刺されろ……黒ひげ危機一髪かよ…フフッ……」

「おそ子まだ酒入ってないよね?大丈夫?でも同意……大事なもの削ぎ落とされて持っていかれろ……」

 

ハァーっと二人は大きなため息をつく。それからぐだぐだ、グチグチ、銘々に腹の底の本音を呼吸のように話し合い、…いや、会話が嚙み合っているのか不明だったので呟き合う、が正解かもしれない。それでも互いに話を聞いていないわけではないことはわかっているので、何もかも知り尽くしている親友とは楽なものである。

一応、ここは出会いの場でもあり、その目的で来店する客も多いのだが、明らかに自分の世界に入ってしまっているその二人をひっかけようとする客はいなかった。

しかしそんな負のオーラを放つ彼女らに、とある者は平然と話しかけたのだ。

 

「ヘイ、どうしたの。おそ子とチョロ子。めっちゃ元気なくない?」

「カラ子……」

 

扉側から声がしたのでチョロ子は死んだ魚の目のまま、眼球だけを動かしてそちらを確認する。おそ子は左隣に座って互いに向かい合って寝そべっていたので、わざわざ起き上がる気力のない今、依然としてピクリとも動かず口を閉じただけだった。

それでもおそ子にはわかっていた。例え凛とした声しか聞こえなくとも、もう一人いるということを。

だから彼女は確信を持って答える。

 

「なによぉカラ一カップルかよ……」

 

なによそれ、と先程とは別な、物静かな印象の声が飛んできた。おそ子の思った通りである。そして、傷心中の今あまり見たくない二人でもあった。

 

「カラ子と一子のカップルだからカラ一カップル……」

「なるほど。くだらないわね」

「くだらないというかどちらかというと、どうでもいいのでは……」

 

一子が物静かなトーンで吐き捨てるのはいつものことである。特に心を痛めることもなく、おそ子はやれやれと身体を起こした。しかしこれまたそちらを見る前に確信を持っていることがある。カラ子は一子の腰を抱いている。絶対。そしてそれは見事に当たった。さも当たり前のように健康的な腕が、これは自分の所有物である、と相変わらず強く示していた。

 

「今アンタらイチャイチャカップル見てたら怒りで爆死するかと思ったけど案外そうでもなかったわ」

「それね。見慣れすぎているからかな」

 

いつの間にか起き上がっていたチョロ子もおそ子に同意する。この光景を見始めて数か月ならもしかしたら苛立ちがさらに募ったかもしれないが、本人らのただならぬ距離が習慣的になって数年もすれば最早そこに思うことなどない。脳は既に疑問や驚きといったあらゆる思考を放棄していた。よって感情も、何も湧かないのである。

相変わらず生気の宿っていない目でおそ子は問う。

 

「ねえ~…アンタらどうしてそこまでうまくやっていけてるの?」

「どうして、と言われても、なあ……。一子のことが好きだからとしか」

「私もカラ子のことが好きだからとしか言えないわ」

 

カラ子はよりきゅっと腰を強く抱く。一子は下唇を軽く噛み、はにかみながらも嬉しそうにカラ子の背中に腕を回した。まるで力強く抱かれてバランスを崩さないために、と言い訳しているような素振りである。彼女がちらりと隣のカラ子の顔を窺えば、同じくカラ子は嬉しそうな顔をして一子のほうを見ていた。それから、人目など気にせずカラ子は当たり前のようにキスをする。一子もやや口角をあげてそれを受けるものだから、おそ子とチョロ子はまたもや、ハアーッと臓器を震わせ低い声も入り混ぜながら大きくため息をついた。

 

「つくづく思うけど…外国かよって感じ……」

「なんかここまでくるとバカップルとかそういう概念なくなるよね」

「ン~、my love…可愛い……」

「そういえばカラ子、一子、十四子とトド子は?」

 

チョロ子の一声でおそ子はふっと思い出す。そういえばこのグループにはあと二人いるはずなのだ。そして示し合わせたわけじゃないのに何人か集まれば大体、いつの間にか全員が揃っている。いわゆる波長が合う、というやつだろうか。いや、単に皆この店に入り浸りすぎなだけなのか。

 

「トド子はさっき『イケボイ見つけた!』って意気揚々としながら話しかけに行った。ほらあそこ。んで十四子はその隣で話聞いてたりスマホいじってたり変な動きしてる」

 

カラ子は唇を交わらせたついでに頬にキスしたり、髪にキスしたりと一子を可愛がりながら興味なさそうに答えた。しかし一子しか視界に入っていないかと思いきや、器用なことに人差し指で指し示してくれる。ふたりはその先を辿っていくと、確かに、中性的な美人を前にしてやけに仕草のうるさい友人と、その周りで何を踊っているのか不明な、成りの派手な友人がいた。ふたりの眉間にしわが寄る。

 

「うわ…あいつなにかまととぶってんの?『キャー、ソウナンデスカァ?』とかクソ高い周波数で話してそうなメス顔……ああいう、『知らない間に玉の輿に乗っちゃったぁ』なフリするタイプのキャラ、BLにもいるよねー」

「いきなりBLを引き合いに出されても知らないわよ……待って十四子はなにやってんのあれ」

「なんか踊ってるけど…多分意味はないんじゃないかな。暇だからトド子についていって、でもやることないし踊っとこ、みたいな。大体思考回路不明だし」

「トド子のスルースキル鍛えられすぎじゃない?てかトド子はともかくイケボイのスルースキルやばくない!?絶対あれ初対面でしょ!?初対面でそいつ視界から消して平然と話せるもんなの!?」

 

そんなふたりの会話が届いたのかはいざ知らず、十四子はこちらに気づくなり、いつも通りの何も考えてなさそうな満面の笑みで手を振ってきた。呼応しておそ子たちも手を振り返す。なおトド子は相変わらずイケボイに夢中だ。いや、あの性根が悪い女のことだから、とっくに気づいているのだろうけど「邪魔すんな」と他人のふりをしているのだろう、と皆思った。

 

「…おそ子、呑もうか……」

「そうねチョロ子……」

 

向こうをみれば、今完全にこちらを切り捨てている女と、謎にそれにまとわりつく女。

隣を見れば、周囲のことなど頭にない、盲目して愛を紡いでいる女たち。

ちょうど同じ傷を抱えた者同士で慰めあおう、とふたりはため息をつきながらグラスを持ったのだった。

それぞれの夜が更けていく。

 

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☆.。.†:*・゜☆あとがき☆.。.†:*・゜☆.。

 

〇語彙の説明

イケボイ…イケてるボーイッシュ。かっこいいお姉さんのこと。大体見た目が少年っぽい。

 

とってつけたようなカラ子一子要素……とか言っちゃダメ。

今回はおそ子とチョロ子の失恋編?ふたりとも変な人にひっかかっちゃったから出戻り。人が多いと書き方がわかんねぇ!

それでもカラ子と一子はラブラブです。いつ結婚式をあげるのでしょうか。

カラ子一子大好き!

ではでは(*^ー^)ノ

 

いまさらか。あけましておめでとう。

なうでは生きてるけどブログは案外書いていない。年々身バレの恐怖が高まっていって……。

でも久々にパソコン版見ると可愛い絵文字とか顔文字とか、進化していってますよね。

そう使いたい。使いたいがために書くカナヘイうさぎつながる花1つながる花2とびだすピスケ2

顔文字は…時代に乗ろうとしてちょっと古め…?なのとか✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌←一時的に流行ったよね

イェィ♪((└(:3」┌)┘))イェィ♪v('ω'*v)ピースピース(v*'ω')v←時代問わずだと思うけどなんだろう…古いというか、そうか、顔文字の種類がかわってきたのか…キチ系入ってない?そういうことか。

 

あの水こぼしたPCとはおさらばしました!!!

やっと外付けの打ちにくいキーボードとはお別れだよ~~~~大泣きうさぎ大泣きうさぎ

でもいまだに慣れていない。久々にキーボード触るのもあるからかな…10にしたくなかった…今日10の弊害(Wi-Fi)出たし。クソ。

フォロワーさんに教えてもらって、完全シャットダウンというものをしたら直った……。ありがとうございます…大泣きうさぎ

 

そういやいまだに指は治っていない。今日夢で爪自分ではがす夢見ちゃった怖い…牛しっぽ牛からだ牛あたま

 

ではでは(o´・ω・`o)ノシ