※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。
また太妹が嫌いな方もです。

文豪太子×編集者妹子というのはあるけど逆はないよなーと思って妄想してみた。
更に菜月さんとの話で盛り上がって妄想が膨らんだという。結果。
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インターホンを押しても応答がない。
試しにドアノブに手をかけると、おそるおそるでも回る感触があった。
思い切ってそのまま回しきり、玄関を開ける。
勿論これは立派な不法侵入に当たるのだが、太子は気にせずそのまま中へとあがる。

彼がある一室のドアをがらりと開けると、そこには予想通りの人が、予想通りの姿でいた。
部屋の隅に置いてある、それなりに横長な机に突っ伏している、もみあげが特徴的な栗毛の人物。
更に言えば卓上とその周りはなにやらよくわからない紙と本とで散らかり放題だ。
机にあるノートパソコンもそれらに埋まってしまっている。

「おい、妹子。生きてるかー?というか生きててもらわないと困るんだけど。」

太子がそう声をかけると、名を呼ばれた人物はぴくりと微かに動いた。
どうやら生きているらしい。いや、元から本気で死んでいるとは思っていないが。

「ん~~~・・・ふぁいし・・・。」

妹子、と呼ばれた青年はうなされながらも名前を呼び返す。
それから、案外普通にむくりと起き上がった。相変わらず髪の毛はもみあげ以外もボサボサだ。

「あ・・・?あ、太子・・・おはようございます・・・。」
「うん、妹子。おはよう。おはようというか、おそようというか。」
「今・・・何時ですか・・・?」
「今?今は・・・昼だな。」
「そうですか・・・。」

彼はかなりひどい格好をしていた。
元々の癖毛が更に酷くなった髪に、寝起き特有の掠れ声。
しかし寝ていたわりには目の下にはくっきりとクマが浮かび上がり、今着ているジャージも多分3日間くらい連続で着続けたものだろうと思わせるような様相だった。
寝不足が作用してか、寝起きが作用してか、とにかくうまく頭が働いていないようだ。

「それで、原稿は?」

太子は妹子の元に歩み寄り、手を出す。
原稿、というのは、なんと彼、小野妹子の職業は小説家なのである。
そしてそれを回収しに来た太子は当然、彼担当の編集者に当たる。
妹子はおぼつかない手つきで散らかっている中を漁ると、一定の紙の束を、差し出されていた掌に託した。

それを受け取り、簡単に中身をさらってから太子は首を傾げた。

「しかし、今回のやつはそんなに大きなものじゃなくて、スケジュール的にも切羽詰ってなかっただろ?
なんでそんなことになっているんだ?」

妹子は、さして有名な小説家でもなかったがさして売れない小説家でもなかった。
ありがたいことに贅沢をしなければこの業界で食べていけるだろうという収入で、まずまずの作家なのである。
だから仕事のペースも、緩やかだったり急ぎ足だったり、まちまちなのだ。
今回は前者のほうだったはずなのだが。

「あー・・・ちょっと調べ物をしてて・・・いや、ちゃんとその仕事終わらせてからですよ?」

だから内容はまともなはず、と念を押すように妹子は言った。
確かに先程チェックした時、細かなものはともかく、酷い文法や誤字・脱字は特に見当たらなかった。
それにしても、そこまで労力をつくした調べ物とはなんだろうか、と太子は気になったので、直球で聞く。

「その調べ物ってなんだ?」
「ん。」

喉奥を鳴らしただけの粗末な返事と共に渡された数枚の紙。
そこには文章がつらつらと綴られていた。
きっと読めということなのだろう、と太子は早速目を通す。
しかし数行読んだだけで彼は早くも目を瞠った。

「えっ!?妹子、これ・・・えっ、あの、あれ、だよね?」
「ボーイズラブ小説ですよ。」

動揺している彼に対し、さらりと妹子は答える。
そう、紙面にはそれが書かれていた。しかも最初からいきなり、致しているところを。

「えっ、妹子・・・こ、こういう趣味だったの?」
「んー・・・趣味、というか、なんか、書いてみようかな、って。」

新しいものに挑戦するという、その前向きな姿勢が何故こういう方面に行ったのか。
太子は相変わらず動揺を隠せない。

「それで、どうですか?」
「へ?」
「それ。」

それ、というのは太子が今まさに手に持っているこのBL小説の一部らしきものだろう。
すると突如彼の眼差しは真剣なものになり、再び文章に視線を落とす。
そして意味深に唸ると、浅くため息をつき、

「ダメだね。」
「え?」

唐突に告げられた言葉に妹子は目を丸くする。

「文章がなっていない・・・なんていうか、お前の文じゃない、というか、どこかからそのまんま借りてきたものを継ぎ合わせただけのようだ。言葉が生きてないし、これじゃ興奮しない。
・・・なんだその目は。」

妹子の視線に気づいた太子は怪訝そうにちらりとそちらに目を見やる。
それでも妹子は変わらず目を丸めていた。

「いや・・・何か、詳しそうだなぁって・・・しかも今さらっとすごいこと言ったような・・・。」
「ん・・・、まあ、編集やってれば、色々とな、色々、と。うん・・・。」

再び紙面に視線を落とした太子の表情からは過去に何かあったのだろうということが見てとれた。
きっと踏み込んではいけない領域なのだろう、と哀れに思った妹子はそれ以上深く追求することをやめた。

「それで、つまりボツだと。」
「まあ、そういうことだな。というか、向いていないからやめておけ。」

自分でも薄々感づいていたことを頭ごなしに否定され、妹子の中に小さな怒りが生まれた。

「へえ・・・じゃあ手っ取り早く経験すればわかるんですかね?」
「ん?」

穏やかにその場をやりこめたかったのに、その感情はどんどん育っていき、笑顔は引きつるし、眉根は上がるしで、どうも苛立ちを抑えきれず、とうとう口から挑発的な言葉が出てしまった。

「だったら太子、しましょうよ。」

ぐい、と力任せに太子の服をひっぱり、彼の顔を自身の顔に近づける。
彼はというと、突然の出来事に驚き、焦っているようだった。

「ちょっ・・・妹子!落ち着け、落ち着けって!な?」
「『受け』の心情をメインに書きたかったので仕方なく僕が『ネコ』でいいですよ。」
「何の話!?私の話聞いてお願いだから!」
「太子。」

ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる声に割って入った、落ち着いた声音。
それにより太子の動きも止まった。

「僕は、本気ですよ。」

真っ直ぐ見据えたその栗色の瞳に、太子は全てを悟り、そして諦めた。
まあ、私はバイだから確かにそれは大丈夫なんだけど、とぼそりと呟くと、
ふう、と再びため息をつく。

「・・・あとで後悔しても、知らないからな。」

太子が頭を抱えながらそう言うと、妹子はここ数日使っていない、綺麗に整ったベッドへと彼を促した。

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇あとがき◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
編集者太子×(BL)小説家妹子でした。
こうしてみると(文豪×編集の)逆もいいですよね・・・うまし。妹子が襲い受け的な、結構積極的な感じになりました。
しかしこれではあまりにもキレやすいのでは・・・?とも思った・・・けどああするしか・・・。
徹夜明けで苛立っていてささいなことでもキレる状態だった、ということにしておこう。うん。
ヤケクソからの本気のヤケクソみたいになってますね最後。本気のヤケクソってなんだ。

ではでは、いつもありがとうございます(*^ー^)ノ
※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。
また芭曽が嫌いな方もです。

コスモスはなんとなく芭曽のイメージでした。甘いのが欲しかったはずなのに何故かブラック気味。ブラックというか、なんだろう・・・。シリアスとかではない・・・はず。
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空が赤く染まった頃。
道中にいる芭蕉と曽良が今日はこの辺で切り上げようと話していた時だった。
ふと一軒の宿が芭蕉の目に留まる。

「曽良君、あそこの宿にしよう!」
「いいですけど・・・いつもより決めるの随分早いですね?」
「うん!だってコスモスが綺麗だもの!」
「コスモス・・・?」

芭蕉が指差す先を訝しげな表情で見やると、そこには確かに沢山のコスモスが咲いていた。
色も様々で、赤や白、特に桃色が目立って多く咲き誇っている。
こんな理由で宿泊場所を決めるのはいささか単純ではないかと思う反面、彼は一応俳聖とまで崇められる人だから、その豊かな感性で何かを感じたのか、と久々の良い句への期待もある。
ともかく曽良には断る理由もないので、明らかに怪しい雰囲気を放っていない限り否定する気はない。

「じゃあここにしましょう。空いていればいいですね・・・芭蕉さん?」

曽良が宿へと続く道に足を踏み入れようとした瞬間、視界の端に映った芭蕉の奇行にますます眉をひそめた。
彼は花畑の中に踏み込み、白い花を1輪摘み取ろうとしていた。

「何してるんですか?」
「曽良君見て見て!真っ白!」

芭蕉は興奮気味で曽良に向かって高々と花を掲げた。そこまでしなくとも白いのは一目瞭然である。
一応人のものなのに、バレたらどうするんですか、と注意するのも億劫で、代わりに曽良は舌打ちに全てを込める。

しかし芭蕉は気にせず、それを持ったまま彼の元へと歩み寄った。
目の前で少し背伸びをしたかと思えば、曽良は頭に違和感を覚える。

「うんっ!やっぱり曽良君は白が似合うね!」

芭蕉は満面の笑みを浮かべ、満足そうに曽良の顔を眺める。
先程彼の手の中にあった花は、今や曽良の髪に飾ってあった。

「花単体ならピンクが一番好きなんだけど・・・。でも曽良君に飾るなら、白が一番いいや。」

芭蕉の言うとおり、彼の透き通るような白肌に、白い着物、それに対極的なみどりの黒髪とくれば髪飾りも白にして全体を純白で統一させたくなる。
そうして清楚に飾り立てると、長い睫毛も作用してか人形のような美しさに芭蕉は心を奪われた。

「・・・ピンクが好きとか随分乙女チックなジジイですね。」

そうして横顔をまじまじと観察されている当の本人は、見られていることを不快に思っているのが丸わかりな表情で毒を吐く。
しかしそれでも白魚のような肌の上を飾る紅が動く瞬間はとても美しいものだ、と芭蕉は見惚れていた。

「ひどっ!!だってピンクっていってもそんな乙女チックカラーな感じじゃないし・・・大体君に飾るなら白が好きって言っただろ!?花言葉的にも合ってる気がするし・・・。」
「花言葉?」
「うん・・・白は優美、とかそんな感じ。」

曽良は更に眉間にしわを寄せた。
女ならともかく、男の曽良が優美だとか言われても確かに嬉しくはないだろう。
けれど芭蕉は十分、花言葉が彼と一致していると思っていた。口に出すと身に危険が及ぶので胸の内にしまっておくが。

「まあ、ピンクの花言葉も好きなんだけど・・・。」

芭蕉はそうポソリと呟いた。しかし曽良の耳には届いていなかったようで、何か言いましたか、と聞き返されたが、なんでもないと答えた。

(あー・・・本当、綺麗で可愛いなあ。食べちゃいたいくらい。)

いまだ芭蕉からの視線を受けていることは感じていたが、彼が微かな笑みを漏らしたことに曽良は気づかなかったようだ。
また、その微笑の意味も、勿論知らない。

ピンクのコスモスの花言葉は、乙女の純潔。

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゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆あとがき゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
題名の通りコスモスをテーマにした芭曽でした。
曽良君、宿に入ったらどうなっちゃうんでしょうねえ・・・楽しみです。まあすぐ捕って食われはしないかと。休んで、食事をとって、お風呂に入って・・・そこから先はわかりませんがね。

拙い文章で毎回申し訳ありません本当・・・言葉が出なくて苛々してたとかそんなことはない。多分。
あと文中の「曽良に向かって高々と花を掲げた」は誤字ではないはず・・・多分。

花言葉については色々ある中勝手にまとめた感じですので、勿論これ以外にも諸説ありますので、間違いだとかは言わないでください。

ところで昨日は眼鏡の日で、今日は豆腐の日らしいですね。どうでもいいけど。
ではでは、いつもありがとうございます(*^ー^)ノ
※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。
また太妹が嫌いな方もです。

今回糖度高いです多分。クソ甘めです多分。あと長い。
深いちゅーとか出てるので苦手な方は閲覧をお控えください。
ところで飛鳥はキスって言わないでちゅーって言うんですよね。可愛い。
あとどうでもいいけど「ん」が連続するところでゲシュタルト崩壊しました私。だんだん「人」に見えてきたり「h」に見えてきたり・・・皆さんもお気をつけください。(どうしようもない)
長くなってすみません、では。
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白く淡い光を放つ満月が高く上がった頃。
太子は寝支度を整え、寝室へ入ると先に部屋へ行っていた妹子の姿があった。
それは極当たり前のことなのだが、太子は目を丸くする。

「お前何やってんの?」

彼は上体を起こし、下半身だけは布団の中へと潜り込ませていた。
これは特に問題ないのだが、太子が注目したのは妹子の口元だ。
彼の口にはラップが貼られており、また彼の手はそれが落ちないように唇を押さえつけていた。

「ん?んんんんん?」
「ごめんそれ剥がしてから喋って。」
「んっんんっんんんんんん。」

ちょっと待ってくださいね、とでも言ったのだろう。
それから数分後、やっと彼は口が聞けるようになった。

「お前何やってたんだよ・・・。」
「蜂蜜パックです。最近唇が乾燥して痛いので。」
「そんな情報どこで手にいれてるの・・・?お前の女子力・・・。」

相変わらずの妙な美意識に驚きつつも感心していると、途端に妹子の眉間にしわが寄る。

「そもそも太子のせいですよ。」
「え?私なんかした?」

思わぬ発言に太子は首を傾げる。
そんな彼の鈍い反応に苛立ったのか、妹子の眉間には更に深くしわが刻まれた。

「そうですよ!毎日毎日毎日!寝る前に!!なんでちゅーしなきゃいけないんですか!!」

突如拳が布団に振り下ろされ、太子の肩は大きく跳ねる。
決して大袈裟な反応ではなく、妹子自身もわりと憤ったらしく、呼吸は浅くなっており、布団も少し乱れてしまっていた。

彼の言った通り、彼らは就寝前に口付けを交わすことが日課になっている。
しかもそれは唇を押し当てる軽いものではなく、舌を絡ませ、お互いの口内を探りあう、わりと深いものだったりする。
いつからこれが当たり前になったのかは忘れたが、ともかく太子が決めたことは確かだ。

やっと意味を理解した太子は怪訝そうに彼をみつめる。

「お前・・・今更?」
「今更ですよええ!最近リップクリーム塗っても塗っても乾燥するなーって思って気づいたんですよ!悪いか!」
「いや悪くはないけど・・・てかお前リップクリームも塗ってたの?道理で最近ちゅーするとき変な味すると思った・・・。」
「煩い、メントールが一番効くんですよ。」

煩わしそうに妹子が手で払う動作をした時、ふと太子はあることに気づく。

「ていうかさ、それ、どうするの?」

彼は妹子の口元を指差しながら尋ねた。
それ、というのは勿論、唇に残っている蜂蜜のことだ。

「ああ、これですか?んー・・・、っ!?」

指摘されて思い出し、無意識に目線を上にやると、突然妹子は頭を引き寄せられた。
初めは何が起きたのかわからず数秒思考が停止していたが、ふいに唇に柔らかい感触があることに気づく。

しかし気づいた時には、時既に遅し。
妹子は口元に生ぬるい、湿ったものを感じた。
言うまでもなく、それは相手の舌で、入念に唇を舐め取られる。

それから息苦しくなった彼は酸素を欲し、思わず唇に隙間を作ってしまった。
瞬間、舌が割り込み、そのまま無理やりこじ開けられる。
口腔内に侵入してきた舌に己のそれを絡め取られ、刹那、吐息混じりの甘い声が漏れた。

太子の舌はゆっくりと確実に妹子の口内を支配していく。
舌が深く絡み合い、歯列もなぞられ、妹子は脳髄が痺れる感覚を覚えた。
電流のように背筋に走る、嫌悪感にも似た快感。
最後、惜しむように強く舌先を吸われ、唇を離された時が快感の最高潮だった。

「ん、甘い。ご馳走様。」
「ぷはっ、はあっ・・・はぁ・・・。アンタ・・・なに、するんですか・・・。」

酸欠になる寸前だったのか、妹子は肩で息をする。
強気な口調に思えるが、頭はうまく働いていないのだろう。
既に目は蕩けていて、口の端からは飲み込みきれなかった唾液が零れ、身体は快感の余韻に浸るように軽く痙攣していた。
そんな彼とは反対に太子は不敵な笑みを浮かべながら答える。

「何って・・・おやすみのちゅーだけど?いつもしてるのに、随分、良かったんだね。」
「いや確かにいつもしてますけど今のは・・・タイミング的におかしい・・・、
っていうか、せっかくパックしたのに!やり直しじゃないですか!」
「もったいないからってどうせそのまま舐め取るつもりだったんだろ?なら私が舐めとってもよかったよね?」
「うっ・・・。」

どうやら図星を突かれたようだ。妹子の視線が宙をさまよう。
彼の反応にたまらず太子はふっと噴きだした。

「次からはリップクリームも甘いのにしてね。」
「・・・るっせー、誰がするかよ・・・。ていうかアンタも唇乾燥してるじゃねえか・・・。」

最初に唇を当てられた時に感じたがさつき。
あれだけが妹子が感じた唯一の不快感だった。

「口悪妹子・・・。まあ、乾燥したらまた舐めればいいんだし、舐めてくれよ。」
「お断りします。」
「即答!?」

口ではそう言いつつも、視線を外し、紅に染まった頬を隠しながら妹子は思う。

(・・・新しい、リップクリームを探そう・・・甘い、甘い・・・チョコレート味ならあったかな?)

味見をさせるのは勿論、目の前にいるこの人。

「あ、リップクリームの話だけどさあ、」

妹子の心臓が大きく跳ねた。
今まさに自分が考えていることを読まれたのではないかと焦ったからだ。
しかしそれは太子がただ話題を引きずっただけで、つまりは思い違いだったようで、すぐに胸を撫で下ろす。

「カレー味とかいいな。」
「そんなものありません。」
「えー・・・世の中おかしいよ。」
「世の中は正常です。アンタの頭がおかしいんです。」
「辛辣・・・じゃあ、カレー味のリップクリームはいいからさ、」

次の瞬間、妹子は背後に独特の感触を覚えた。
視線の先には白い天井。

「今夜、お前を食べたいんだけど、どう?」

自身に落とされた黒い影。
自分の瞳を真っ直ぐみつめてくる、細められた双眸の奥には怪しい光が宿っていた。
口元は少し緩められただけだったが、そこにあるのは普段の締まりのない顔とは明らかに違った。
端整とまではいかないが、人を魅了するのには十分な顔。
妹子の心臓が再び大きく波打つ。

ああ今夜は、逃げられないな。

妹子は返事の代わりに、ゆっくりと目を閉じたのだった。

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゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆あとがき゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
言い訳したいことは沢山あります。
まず最初にみるみる・・・ごめんね全然違うネタになっちゃったよ・・・せっかく提供してくれたのに・・・。
あとこうなるとは思ってなかったよ・・・アッー♂で終わるとは。
視点も心配・・・最後妹子寄りになったけど。
そして太子に臭い台詞を吐かせてしまった感・・・。
久々に甘いの書いたらこの惨敗ぶり。甘いの好きなのに・・・。

でもいろんなフラグは立てたつもりです・・・ネタバレになりますが毎晩一緒に寝る=同棲しているとか、リップクリームの味がまずい=普段も沢山ちゅーしてる、とか、そんなん。
現パロかそうでないかは曖昧にしたつもり。

あ、ついでに妹子がパックしてた時の「ん」の連続、
最初は「ん?これですか?」って言ってます。一応。

それから蜂蜜パックは私がしてました・・・。中学時代とか、吹部で金管で、冬場とかどうしても乾燥しちゃうんですよねー・・・。それで母から教えてもらってやってたなあと。
効果は・・・よく覚えてません。そして私の場合確かふき取ったかな・・・?舐めたかな?
実は甘いもの得意じゃないので蜂蜜も私には甘すぎて・・・。あんまり好きじゃないのです・・・。

長文失礼しました。
ではでは、お読みいただきありがとうございました!(*^ー^)ノ