※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。

また、太妹が嫌いな方もです。

聖徳1週間で妹子が太子の作った落とし穴に落ちたときの話です。

今回は矛盾点が多すぎて後書きで反省しまくっているので気にせずに読み進めていってください。

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「妹子!ほら、ツナ!ツナ!」


「いらねーって言ってんだろ!」


太子の作った落とし穴に見事落ちてしまった妹子は、今の状況にも十分イライラしていたが、

しつこくツナを強要してくる太子のせいでさらに苛立ちが高まっていた。


この無様な状況から一刻も早く脱したい妹子は壁に手をかけた。

彼ぐらいの体力なら簡単に登っていってしまいそうだが何故か思うようにいかない。


だからといって太子に助けを求めるのはなんとなく悔しくて個人的に嫌だったのだが、

そうも言っていられない状況なので、妹子は嫌々ながらも太子に向かって叫んだ。


「太子ー!ロープか何か持ってきてくださーい!」


すると太子は掌に耳を当てた。

さらにあからさまに耳を大きくしているといったような表情まで浮かべる。

妹子は嫌な予感がした、否、嫌な予感しかしなかった。

「え、何?助け・・・?助けて・・・?」


「チッ・・・うっざ。

あーはいはい、助けてください!」


あまりの太子の面倒くささに妹子は思わず舌打ちしてしまった。

さらに舌打ちだけではとどまらず心の中で思ったこともさらっと口に出してしまい、本音が全部出てしまったのだが、彼の手を借りるしかない今、半分やけくそになりながらも彼の求めていた言葉を発する。

それを聞いた太子はさらに顔の筋肉を緩め、余計憎たらしさの増した表情を浮かべた。


「しょうがないなあこのヘタレ芋は。今ロープを持ってきてやるからそこで待ちんしゃい!」


誰がヘタレ芋だこのヘタレ摂政。

と言い返したかったが、そこからまた言い争いが長引いても困るので、

妹子は衝動を抑え、引き止めることなく大人しくその場で待っていることにした。



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太子が去りはや数十分、しかし彼は未だに戻ってくる気配はなかった。

それどころか人一人も通ってこない。


「あの人ロープ取りに行くだけでどんだけ時間かけてんだ・・・。」


未だ落とし穴の中で彼を待っている妹子は苛立ちを通り越して呆れを感じていた。

待ち疲れからか、呆れからか、妹子は一つ、大きな溜め息をつく。

その時、遠くから随分と間延びした声が聞こえてきた。

よくよく耳を澄ませてみると自分の名前らしきものが聞こえる。

それにこの声はどこがで聞いたことがあるような気がする、と妹子が思った瞬間すぐに声の主が特定された。


「い~も~こ~!ロープとってきたどーー!」


その言葉を聞いて妹子は顔を上げた。

そこには当然のように青く澄み渡った空があり、

そのおかげで本来なら暗い落とし穴の中まで光が射していて、よく物が見えるようにしてくれていた。

しかし暫くして頭一つ文の薄い影が穴の中に落とされた。


「いーもこっ!ほれっ、ロープ!」


ようやく戻ってきた太子は汗だくで何故かあちこちに怪我をしていた。

ぜえぜえと無駄に呼吸を荒くしながらロープをひらひらと妹子に見せつける。

ここ数十分で何があったのか少し気になったが、常に不思議な人物であるため妹子は気にせず太子に向かって叫ぶ。


「じゃあ早くそれを垂らしてくださーい!」


「え~、どうしよっかなあ・・・。」


「いいから早くしろ!」


「すみませんでした・・・。」


「あ、片方はちゃんと持ってて、しっかり踏ん張っていてくださいね。

というかちょっとは引っ張っててください。」


戻ってきて早々、感謝されるどころか余計なことをして妹子の苛立ちを悪化させ、

怒鳴られてしまったが、太子はしゅんとなりながらもロープの片端を穴の中に垂らした。

妹子はそれをしっかり握り、太子に構わず思い切り引っ張りながら壁を伝っていく。

すると先程自力で登ろうとした時とは違い、随分軽々と這い上がってきた。

その様子を見て太子はしらっとした顔で口を開く。


「おーお疲れ。」


「誰のせいだと思ってるんですか!!大体アンタ全然力入れてなかったでしょうが!!おかげで倍疲れましたよ!!」


「まあまあ。」


「まあまあじゃないですよ!ぶっとばしたろか!」


「すみませんでした・・・。」


妹子の言葉遣いがどんどん悪くなっていく中、太子はいよいよ本気で項垂れて反省していると、

何の前触れもなく妹子は膝から崩れ落ちた。

突然の出来事に対しは目を瞠る。


「妹子!?」


「ったた・・・。」


「だ、大丈夫?」


童顔を表すくりっとしたその瞳にはうっすらと涙が浮かんでいた。

その場に座り込んだ彼を見ると、両手で左足首を庇っている。

しばらくそのまま俯いて痛みに耐えていたが、やがて顔を上げ、依然左足を抑えながら口を開いた。


「さっき落ちた時に足首を捻ったみたいで・・・。

それで自力で登れなくてロープを使ったのですが、何せ痛みを我慢して足に力入れて登ったので・・・。

すみませんが肩を貸していただけませんか?」


「う、うん・・・。

まさか怪我しちゃうなんて・・・ごめんね。」


「ほんとですよ。

アンタ全然引っ張ってくれないし・・・。正直落ちたときよりも悪化しました。」


「うん、ごめん・・・。」


さすがに怪我までさせてしまうと心の底から罪悪感が湧き、それに伴い外見にも反省の意を示しながら太子は妹子に近づき、へたり込んでいる彼の腕を自分の肩にまわした。

あとは立ち上がるだけなのだが、太子は膝立ちのまま立とうとはしなかった。

その顔を見てみると何か考えているような表情を浮かべていた。


「・・・太子?」


不思議に思った妹子は彼に呼びかけると、彼は妹子の肩にまわしていた腕を外したと思いきや、

今度は別なところに腕をまわし、ぐいっと彼を引き寄せた。

さらにもう片方の腕で彼の膝を抱え、よいしょ、と何ともオッサン臭い掛け声をかけながら立ち上がる。

思ってもみない出来事と、急に太子の顔が近くなったため妹子は思わず挙動不審になる。


「な、何やってるんですか!?」


「え、何って、お姫様抱っこ。」



理解が追いつかなく焦りまくる妹子に対し、太子は特に何も気にせず平然と答えた。

すると妹子はやっと状況を理解したようで、さらに照れ隠しをしているような声色で反論をする。


「あ、アンタ聞いてました!?

僕は肩を貸せって言ったんですよ?それが何でお姫様抱っこ・・・。」


「んー?だって、こっちのほうがさっさと歩けると思って。」


「じゃ、じゃあおんぶでもいいじゃないですか!」


「いや、こっちのほうが妹子の顔見えるし。」


「なっ・・・!」


太子の一言で刹那妹子は硬直し、言葉に詰まる。

しかしすぐにまた、頬を赤らめながら太子の腕の中で騒ぎ出した。

照れ隠しなのだろうが、あまり暴れられると体勢を崩して彼を落としてしまうと考えた太子は、自身の顔をゆっくりと妹子に近づけ始めた。

その異変に気がついた妹子は、太子の目を見つめながらふと動きを止める。


その瞬間を狙っていたかのように、太子はすかさず妹子の唇にかぶりついた。

彼の行動に妹子はさらに目を見開く。


「次暴れたら、こんなんじゃ済まないからね。」


またもや硬直している妹子をよそに、太子は不敵な笑みを浮かべ、舌をペロッと出しながら忠告する。

すると妹子の顔が一気に炎上したかと思いきや、いきなり暴言を吐き始め、ようとしたのだろう。

実際は硬直しきった唇をなんとか今の力で最大限に開いているようだが、言葉が追いつかない。


彼の慌てようを観察していると、太子は思わず吹き出してしまった。

そして口角を上げながら未だに体の自由がきかない彼の顔を見つめる。


「まずは法隆ぢに行って手当てしないとな。」


「・・・はい。」


最終的に頭の中が真っ白になったのか、珍しく妹子は素直に頷いた。

彼は太子の肩にまわしている腕に少し力をこめる。

既に歩み始めていたが、それに気づいた太子が再び彼の顔を覗き見ると、

俯いていて、表情はよく見えなかったが、

耳に所持している熱でどんな顔をしているのかは大体想像がついた。



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☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*後書き☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

わかる人にはわかるあのネタの続編的な話でした。

実はこれ、餡蜜にメールで送っていたり。

でもかなり修正しましたね・・・携帯で打つとどうしても文章がスカスカになる。


矛盾ばっかしててすみませんでした。でも直すとなるとさらに文章力が必要な上めんどくさいので((殴

あれ?太子って、非力じゃね?って思った方、その通りです。

でも考えないでください←

普通に力があると思っていてください。つまりただお姫様抱っこさせたかっただけですはい。


まあ文章スカスカですね・・・。だがこれ以上考える気はなかった!((殴

つたない文章ですみませんでした。本当に。

ああ文才が欲しい・・・。

でわでわ(*^ー^)ノ