※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。

また、太妹が嫌いな方もです。

今回は太子が病んでるので注意。ヤンデレですはい。

血とかでてきます。手錠とかはい。

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昏い、昏い、檻の中。

時たま、がしゃりという金属音が静寂の空間に響き渡る。

その音は半ば諦めかけているような音色で非常な音楽を奏でている。


するとその独奏に交じって、コツコツと重苦しいステップを踏んできた者がいた。

と思うと、ある時その音はピタリと止み、その代わり軽やかで愉しげな声音が響く。



「やあ妹子。元気にしてるかい?」



ニコニコと目の前にある光景を愉快そうに眺めながら男は言う。

するとまたかちゃり、と金属がぶつかりあったと思うと、音のしたほうから声が聞こえた。



「ハッ・・・。おかげさまで元気に過ごしていますよ。」



一見、文字だけを見ると強気な口調に思えるが、実際の声色はふてくされと諦めが交じっているようだった。


それを聞いた檻の前にいる男は依然として愉しげにしゃべりだす。



「その手錠、なかなか外れないでしょ?

まあ当たり前だよね。私が妹子のために特注したんだから。

随分頑張ったんだなぁ。手首の当たり、かなり切れてるよ。まだ血が乾いてないね。

ていうかそろそろ気づかないの?ここから出るのは無理だってこと。

妹子がちゃんと自分の状況を理解して、諦めてくれたら手錠はずしてやるからね。

だから、おとなしくしててよ?」


「ハッ、余計なお世話です。」



妹子は鼻で笑いながら答えた。

その言葉に太子は刹那目を丸くし、そして大げさにやれやれと両手を広げる。



「相変わらず男らしいねぇ妹子は。

でも、それがいつまで続くかな?」


「アンタがここから出してくれるまで続けるつもりですよ。」




彼がそう言い放って数十秒後、太子は初め、ふふ、と吹きだしたかと思うと、だんだん声量をあげていき、最終的には狂ったように笑い出した。



「アハハハハ!!さっすが妹子。私が遣隋使に任命しただけのことはあるねぇ。
でも残念。私はここからお前を出す気はないよ。」



太子は唇の前に右手の人差し指をかざしながら、妹子に言い聞かせるように言う。

そして大切なことを言うかのように、一呼吸置いて、口角を上げながらまたゆっくりと口を開いた。




「お前が、私の子を孕んでくれるまでは、ね。」




その瞬間、妹子は目を瞠った。

そんな、そんなこと、絶対にできない。生物学上有り得ないことだ。

だって。



「そう。妹子は男、だからね。子供を生めるはずがないよ。

だから、ね?私が何を言いたいかわかる?」



彼は妹子に問いかけたが、未だに目を瞠って、固まっている妹子の口が動く前に答えを告げた。



「一生、ここから出してあげない。・・・・・・ってことだよ♪」



軽やかに語尾をいい終えた後、太子はジャージのポケットからいくつもの鍵が連なっている輪を取り出した。

その中から一つを選んで、檻の鍵穴に差し込む。

そして檻の扉を開け、彼は妹子のところへ歩み寄り、妹子の顔に己の顔を近づけて、頬にひとつ、リップ音を鳴らす。

その後、ガシャンと鎖の落ちる音がした。太子が妹子の手錠の鍵を外したのだ。



「ここはずっと真っ暗で時間はわからないだろうけど、私がここに来た理由は、わかるね?妹子。

さあ、今宵も私の部屋に行こうか。

妹子が私の子を孕んでくれるまで、毎日続けるんだから・・・ね?

お前は私のなんだから、私のモノなんだから、従ってくれるよね?妹子。」



そう言って太子は妹子に手を差し伸べる。

すると妹子はその手をとってよろめきながらも立ち、太子に支えられながらフラフラと歩き出した。

そしてその日、鼻にツンとくる鉄臭さが広がるその部屋は扉の閉まる音を最後に、本当の暗闇が広がったのである。








オ前ハ私ノものナンダカラ、一生、逃ガサナイカラネ?


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■□■□■□■□■□アトガキ■□■□■□■□■□

何か今日パッと思いついたヤンデレ太妹。

だが書いていくうちに考えていた内容とずれていくという・・・途中で軌道修正したつもりですが。

色々途中意味不明な言葉でてくるかもしれません。てかなんとなく嫌なので見直してない← いつもするのに。

だって出だしが意味不明なことばかりで目をそらしたくなるんだもの←

とりあえずあらすじ↓


太子は妹子をある部屋に閉じ込めて手錠で逃げられなくした。

んで妹子は逃げようとするけど手首が切れるだけで無理だった。

太子は、妹子が自分の子を孕むまでは逃がさないという。

でも妹子は男だから、そんなのできっこない=一生逃がす気はない。

けど、毎夜部屋から連れ出して、自室でいやんう腐んみたいなことをやってます。性欲処理みたいな。

でも太子はちゃんと妹子のこと好きですからね!

妹子も一応好きなんだけど、まあ好きだからおとなしく捕まってるんだろうね。うん。

嫌だったら手錠をはずされた時点で殴ったり蹴ったりして逃げてるもの。

妹子はそれをわかってて逃げない。太子が好きだから。

結果:ヤンデレ夫婦。


でもちょっと悲しいですね。二人とも純粋に子供が欲しいって思ってるのに。

けれど、できないのがわかってるから、ああなっちゃった、みたいな。


あと語句説明。

「昏い」は「くらい」。まあ暗いと一緒な感じ。だけどこだわり←

「愉しげ」は「楽しげ」ですね。

「瞠る」「みはる」。



でわでわ(*^ー^)ノ