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光は龍と別れた後に、真っ先に自分の部屋へ向かっていった。
部屋に入った後、ベットの上にバタッと倒れた。
「・・・は~あ~・・・」
おもわずため息をついてしまった。
ため息をついた理由は言うまでもない。
「・・・あの心臓の痛みはなんだったんだろう・・・?しかも今はなんともないしー・・・」
明日友達に聞いてみよう、などとあれこれ考えているうちに、
だんだん睡魔が光を襲っていき、それに耐えられず光は深い眠りに落ちてしまった。
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いつのまにかカーテンから一筋の光がさしこんでいた。
時計を見ると、あと1分で5時になるところである。
光はいつも起きる時間より1時間早く目を覚ましてしまった。
「んー・・・まだ5時かぁ・・・」
そう言うと、彼はまた眠りに落ちていった。
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バタバタバタッと、2階から聞こえる。
「わ~!!遅刻遅刻!」
階段から降りてきたのは光だった。
「ほらはやくご飯食べなさいよ。」
と、光の母が言う。
が、しかし、光が向かったのは玄関だった。
「ご飯、いらないからー!もう行ってくるー!」
と、彼は玄関で叫び、慌てて外へ出て行った。
(こんなことなら、二度寝しなければよかった・・・。)
と、学校に向かいながら後悔した。
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「はぁ、はぁ・・・」
光は息を荒げて教室に入っていった。
時計をみると、8時24分。ギリギリ間に合った。
「おう、光。おはよー。お前のわりには随分遅い登校だな。なんかあったのか?」
そう話し掛けてきたのは光の親友、悠太だった。
「うん・・・ちょっとね。夕べ、遅くまで考え事してて・・・。」
「めずらしいなー。・・・!ひょっとして・・・」
悠太はニヤッと笑い、
「恋の悩みか?」
と、言ってきた。
「ばっ・・・!」
光はその言葉にとてつもなく過剰な反応をしてしまった。
「お!その反応はあたりか~!」
「・・・いや。ちょっと聞いてくれる?」
と、光が言ったと同時に、チャイムがなってしまった。
「あ、チャイムなっちゃった。昼休みに言うから!」
「おう、わかったー!」
悠太は返事をしながら自分の席に戻っていった。
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――――そして昼休み―――――――
「で?悩みってなんだ?」
「いや・・・ちょっとね。
昨日橋から川に落ちそうになった時助けてくれて
さらにこの足の手当てをしてくれた男の人がいたんだよ。」
「・・・そういや、お前、足大丈夫なのか・・・?朝走ってきてたけど・・・」
「そりゃ痛かったよ。でも我慢した。」
「・・・すげぇな。」
「で、話戻すけど。」
「で、なぜかその人になんか、その・・・
かっ、かわいいな・・・とか言われるとなぜか胸が変な感じになるんだ・・・。
なあ、これって病気なのか?」
「・・・っ!おっまえなあ・・・。」
はぁー、と、悠太がため息をつく。
「なんだよ。」
光はそのため息の理由がわからず、少しむっとして返してしまった。
「そりゃー・・・」
「だからなんだよ。」
「・・・まっ、そっから先は自分で気づけ!」
「はぁ?」
「それは病気ではないことは確かだからな!」
「・・・病気じゃないならいいんだけど・・・。」
「まっ、そのうちわかるよ。きっと。光は鈍いからすぐには気づかないだろうけど。」
「なんだよそれ!」
悠太はあはは、と笑い、光は悠太に、もう!と言って昼休み終了のチャイムが鳴った。
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―――後書き―――
これ、最後のほう、悠太、光のことホモだってわかっているはずなのに
特に軽蔑してませんけど、まあ、いいよね!((よくない