明雄が高校生の頃も、塩原温泉と南会津を結ぶ道路はあったのだが、トンネルではなく、山を迂回する道路で不便だった。それ故、交通の便利な鬼怒川温泉や川治温泉に行った事はあっても、塩原温泉には行った事が無かった。

後で知った事なのだが、栃木県にはかつてもう一つの御用邸があった。塩原御用邸であり、終戦直後に廃止された。陛下・皇族が保養の為に訪れる場所には、文化人も訪れる。尾崎紅葉の「金色夜叉」がここで書かれたという。塩原温泉郷の紅葉は見事だが、尾崎紅葉との不思議な一致である。