僕(山下明雄)は一年後の事を考えている。彼(山下明雄)には、小学教師をしている母方の伯父がいる。昭雄が51キロ強離れた県立会津若松高校に通学する為に、自炊を始めた頃、伯父は大きな湖の畔の小学校の校長をしていた。ある時、実家に帰る土曜日の夕方、伯父がアパートを訪ねて来た。
 「いっしょに帰ろう。乗れ。」
伯父はそう言うと、助手席に明雄を乗せた。それから30分程、ほとんど無言で車は南に向かって走った。