ある日少年は言った。

 お父さん、来月から、「小学二年生」じゃなくて、「少年」を読みたい!

父は怒気を含んだ舌打ちをした。その時の父の悲しそうな表情を今も思い出す。

当時の「少年」という雑誌には、「少年探偵団」関連の企画が随時掲載されていた。例えば、送

料と何百円分かの切手を送れば「少年探偵手帳!」が送られてくる。実際に手帳を手にした時の

興奮!自分が重要人物になって犯人を捜査するんだという緊張。

 「少年探偵団」ばかりではなく、「海洋少年隊」というのもある。これは、「漫画王」を連続

して読んで応募券をはがきに張って送ると、「3等海尉」から始まって「海将」まで位を示す

「バッジ」が貰えるというものだ。「野球チーム」の「一塁手」、、、の「バッジ」が貰える企

画も同じ出版社が行っていた。けれどこの「少年探偵団」も「海洋少年隊」も、少年達の想像力

と、編集者の想像力そして双方の情熱だけが全てなのだ。活動の実態というのは、無い。

 これらの少年雑誌には、必ず「付録」が付いていた。例えば、「戦艦大和」の付録は、ハサミ

で切って、のりしろを貼り付けると出来上がる。紙製のオモチャだ。すばらしい。

 (父だけではなく、人の心が解らない。制度の精神が解らない。という大問題に対しては機会

を見て後日。)