昨日の「ザ!世界仰天ニュース」。
アメリカでの留学生射殺事件について特集されてた。
銃社会を象徴するような1992年のハロウィンで起こった事件。
愛知県からの留学生・服部さんがハロウィンパーティーに出かけ、誤って別の家のドアベルを鳴らしてしまい、強盗と間違われ銃殺された事件。
この事件によって、普通の家庭に銃があり、また自衛のために発砲されることもある事実に驚愕した。
当時私は中学1年生。
小学校のときに経験したホームスティが忘れられず、高校生での留学を希望していた。
留学にあたり、異文化体験と語学習得、漠然とアメリカに対して楽しいイメージしか持っていなかった私は、この事件によって異文化の意味を強く感じた。
奇しくも服部さんは私の先輩…同じ盛田財団を通して、奨学金をいただいて留学している。
事件から3年後の1995年、高校1年生で留学の夢はかなったのだけど、このとき盛田財団の表彰式で服部さんに黙祷をささげたのを覚えてます。
“FREEZE”
留学するなら、そのくらいの単語覚えておけ、という意見も多く聞いたけど、実際1年住んでいて、この単語は“寒い”を意味する以外に使ったことはない。
また聞いたこともない。
知らなかったと考えるのが妥当。
ましてや留学生。いろんな人と触れ合おうという気概は強く持っていたはず。
そしてその日はハロウィン。
周囲は浮かれてて、ジョークとリアルが混在する日。
偶然に偶然が重なって起きてしまった不幸。
考えただけでも悲しくもあり、悔しくもあり、何ともやりきれません。。。
あの日から16年。
刑事裁判では正当防衛の無罪が確定したことは知っていたけど、番組内であった民事裁判のことは知らなかった。
結果、加害者に過失責任が認められ、賠償命令が下された。
銃で射殺したことが非正当化され、状況として“悪いこと”と認識された瞬間でした。
服部さんのご両親が
「我々は犯人に有罪になってほしいのではない。ただ事実が知りたいだけ」
とおっしゃっていたのがとても印象的だったなぁ。
私は幸にもこの事件によって“FREEZE”という単語を覚え、無事に1年間過ごすことができたけど、それでもHIVが身近である事実に直面したり、有色人種への差別、麻薬が日常に使用されてる現実等、当時日本では通り過ぎてしまう問題を身をもって体験した。
国の数だけ文化や歴史は存在する。
でもいくら文化が違うとはいえ、平和を求める思いは万国共通なはず。
無駄な争い、死がなくなるよう、今日も強く願っています。