読書日記2025-153

アサイラム

畑野智美(著)

[角川書店2025年2月発行]


アサイラム 畑野智美/著

 

  あらすじ

大学生の頃、自分のことを好きだという友人から性暴力を受けたスミレ。 忌まわしい記憶を胸中に押し込めながら社会人として過ごしていたが、久しぶりに会った女友達から、彼が当時のことを美しい思い出として吹聴していたことを聞いて、何もできなくなってしまう。 行政がケアを目的に作り上げた街で暮らすことになり、いじめや虐待など、暴力を受けてきた人々と関わりながら、自分はどう生きていくのか、模索していくが――。
人の心は、あまりにも繊細で複雑だ。 痛みと再生を真っ向からとらえた物語。

  感想

女性特有の辛さを題材なお話が多い畑野作品。 今回もまさにそこからだけど、生きづらい人々の色んな理由は男女関係ないですね。


《アサイラム》=避難・保護・亡命


それを街ぐるみで実践している場所が舞台。 現実にはそこまでしている地域はないだろうから(と思う…)、架空の地域になると思われるけど、現実にもあったらと願いますね。


という訳でかなり重い話だし、前向きにはなれてもそう簡単ではないとつくづく…

そこまで?

と思える部分もあるけど、こればかりは当事者でしか分からない…


《性加害に遭った人の集まりでは「周りから責められ二次被害に遭った」と話す人がいた》

夜遅くウロついたり、服装や持ち物、警戒心、飲酒など本人にも落ち度があると


イジメでもそう、イジメられる方にも問題があると言う人もいる。


そんなバカな!!

どんな理由があれど、被害者を責めるのは違うでしょー


この本を読んだら、より一層そう思えた、


《わたしの人生なのだから、最優先するべきは、わたしなのだ。》


ありがとうございましたm(_ _)m