読書日記2025-13

雷と走る

千早茜(著)

[河出書房新社2024年8月発行]

 

雷と走る [ 千早 茜 ]

 

  あらすじ

幼い自分を守ってくれたガードドッグの「虎」。 虎は、私が所有した唯一の愛だった。 直木賞作家が満を持して描く、犬と生きる真実。

幼い頃海外で暮らしていたまどかは、番犬用の仔犬としてローデシアン・リッジバックの「虎」と出会った。 唯一無二の相棒だったが、一家は帰国にあたり、犬を連れて行かない決断をして――。


  感想

2冊続けての千早茜さん。


前回の余韻を覚えつつ読み始めて、ん?

半分くらいまで挫折しそうになりつつ…

後半になり、前半の伏線をのみ込むように…130頁の短い本だけど胸に迫るものがあった。


《幼い私の罪と罰》
治安の悪い国への家族での赴任して、孤独の中まどかに常に付き添う大型犬の虎。

虎の野性に慄きながらも愛し、虎を残して帰国した喪失感と孤独…


虎との関わりから、
《守られてきた犬を自分は守ることができなかった》
それを罪というのか?
もう誰も守れない…の想いに縛られた女性の生き方が…

読み終わって改めて表紙を見つめると、感情が刺激されます。

女性の胸をうちを表現するのがお得意の千早さんですね!

ありがとうございましたm(_ _)m