読書日記2024-213
灯
乾ルカ(著)
[中央公論新社2024年8月発行]

あらすじ
この世界を、私はひとりで生きたい――。 わかり合えない母親や、うざいクラスメート。 誰とも関わらずひとりで生きたい、人生の〝スヌーズ〟を続ける相内蒼、高校二年生。 その出会いは彼女の進む道を照らしはじめた――。 北の街・札幌を舞台に、臨場感溢れる筆致で激しく記憶と心を揺さぶり、光溢れる傑作青春小説!
感想
乾ルカさん、8冊目。
高校生が主人公の話は何冊かあり、それが白麗高校三部作っていうと今ごろ知った…
さて、この本の主人公も主には高校時代。小学生〜〜高校生と成長していく。
その過程に大きな影響を与えるのが、一番は母ね。そして同級生たち。
1人でいたい!1人がいい!
これってコミュ障みたいな一種の障害?性癖?マイノリティってやつ?
と思うも、やはり幼少期からの母との関係に由来しているようだと思った。
ママに甘えたい!ママに我儘を言いたい!側にいて欲しい!寂しい…
それを我慢した結果の鬱積だったのではないか?
ひとりでいることに慣れすぎて、慣れないといけなかった重みがそのまま心の重みになったのでは?
だから蒼はずっと子供のままなんだよね!
確かにママの子育ては自分中心で、子どもの目線では無かった。
娘の我慢や気持ちに寄り添わなかった。
が、私はママめぐみの立場から見てしまった!
シングルマザーになり、親兄弟とは絶縁、どんなに虚勢を張り懸命に頑張ったか、いや頑張らざる得なかったか…
子供には一番イヤな言葉だろうけど、やっぱり子供を育てるためなんですよね!
だから蒼には癌を患ったママに、もう少し寄り添って欲しかったな…
子供に心配を掛けないように負担をかけないようにする、そこでも虚勢を張るママが可哀想で仕方なかくて…

どんなに怖くて寂しかったか…ちょっと実感!
でもママも子供のまま大人になったタイプなのかもしれないな…
因果報酬?!
めぐみも蒼も自分が毛嫌いしたことを、結局はそうしている、そうなってる
関さんの言葉
《あなたの友達がすこいの、特別なの》
その意味が解ることで成長する蒼ちゃん。
本当に大人な友達に感謝ですね!
ありがとうございましたm(_ _)m