読書日記2023-210
刑事何森 逃走の行先
丸山正樹(著)
[東京創元社2023年6月発行]
✩✩✩
あらすじ
罪を犯さざるを得なかった女性たちに対峙する刑事・何森。 定年が迫る中で下した苦渋の決断――
優秀な刑事ながらも組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森稔(いずもりみのる) 翌年春の定年を控えたある日、ベトナム人技能実習生が会社の上司を刺して姿をくらました事件を担当することになる。 実習生の行方はようとして掴めず、捜査は暗礁に乗り上げた、何森は相棒の荒井みゆきとともに、被害者の同僚から重要な情報を聞き出し──。 罪を犯さざるを得なかった女性たちを描いた全3編を収録。
渋みのある刑事たちの活躍を描く、〈デフ・ヴォイス〉シリーズスピンオフ。
感想
何森刑事の第二弾。
前作の方が断然良かったなぁ〜
技能実習生の妊娠や非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍による失業と貧困化、入管法改正や難民問題という社会問題が題材。
いずれにも浮かび上がってくるのは困窮する女性の姿。
この難解な題材にどこまで迫れるのか!と期待しながら読んだ。
が、何となく中途半端…
警察組織の無能さ複雑さもあり、手を出せることへの焦れったさもあり〜ので、落とし所にモヤモヤ
前作よりもかなり成長した荒井刑事には安心感がありました!
お家は大丈夫なの?と心配するほど働いてましたね!
本文より
《全世代で最も貧困率が高いのは六十五歳以上の高齢単身女性だそうです》
《「女性は誰かに依存するのが当然」というモデルを作り上げたのは国ですから》
こういう言葉って、現実なのかもしれないけど嫌だなぁ…
丸山さんらしい文章ですが…
ありがとうございましたm(_ _)m