読書日記2023-120
世はすべて美しい織物
成田名璃子(著)
[新潮社2022年11月発行]
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あらすじ
染めて織る、私の物語を織り人たちの「業」と「歓び」が織りなす、新たな感動作の誕生。
〈桐生の養蚕農家の娘として生まれた芳乃〉と〈東京でトリマーとして働く詩織〉。 伝説の織物「山笑う」をめぐり〈昭和〉と〈現代〉、決して交わるはずのなかった、ふたつの運命が、紡ぎ、結ばれていく――。 抑圧と喪失の「その先」を描く、感涙必至のてしごと大河長編。
感想
成田作品は2冊めかな?
前回読んだ 月はまた昇る とはまた違うテイストで感動!
昭和初期と平成の時代が交互に語られ、その2つの話がだんだん交わっていく展開がワクワクしたし上手いなぁ〜
この展開は最近読んだ本でもあったなぁ←お菓子の船か?
職人さんと言うのは、ひとつのことを突き詰めていく…ある意味…狂気
それに魅せられた一族の話と言ってもいいかも?!
家族や夫婦の愛、戦時中のやるせなさ、綿毛、ADHDという個性、そして何より織物の美しさが存分に織り込まれていた。
やはり戦争の描写にはいつも胸に迫るものがありますね…
プロローグは最後の最後に繋がりましたね〜
『色は天から山を通してやってくる。ただそれを受け取るだけ。織っているのではなく、織らせてもらってる。生かされているこの光の中で』
"生かされている"って言葉は色んなことから繋がりますよね
ありがとうございましたm(_ _)m