読書日記2023-116
息をつめて
桂望実(著)
[光文社2022年11月発行]
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あらすじ
都会の片隅でひっそりと暮らすひとりの女、麻里。 何かから逃れるように、孤独な日々を送る。 パチンコ景品交換所、連れ込み宿の清掃、訪問介護の現場。 仕事を転々とする彼女にも、かつて幸せな暮らしがあった。 充実した日々は、ある違和感から少しずつ壊れていく。 そして、ついにある事件を発端に、彼女の人生は破滅するーー。 衝撃の問題作。
感想
かなり重く考えさせられるお話でした…
人との交流を避け、逃げるように職を変えて引越しをする生活をおくる51歳の麻里の秘密は何なのか?
彼女が抱えている過去が徐々に明かされていくと…ため息しかなかった
こういうのをサイコパスというのかな? その異常さをいち早く見極めたのは母親。
「自分の子どもが怖い」「自分の子どもが信用できない」という親の気持ちを想像するだけでも辛さしかない…同じ母親として…
30年引きこもり息子の持つ父親は
『親として息子の後始末をしてからあの世へ行かなきゃ、世間様に申し訳ない』と言う。
ケアマネさんは
『親がなにもかも背負い込むことはない。親が子供の全ての責任を取ろうなんて思っちゃダメ』と言う。
本音と建て前…
それでもやはり麻里の最後の決断は、親の責任を果たすためだと思いました!
ありがとうございましたm(_ _)m