読書日記2023-48
八月の母
早見和真(著)
[角川書店2022年4月発行]
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あらすじ
愛媛県伊予市。 越智エリカは海に面したこの街から「いつか必ず出ていきたい」と願っていた。 しかしその機会が訪れようとするたび、スナックを経営する母・美智子が目の前に立ち塞がった。 そして、自らも予期せず最愛の娘を授かるが──。
うだるような暑さだった八月。 あの日、あの団地の一室で何が起きたのか。 執着、嫉妬、怒り、焦り……。 人間の内に秘められた負の感情が一気にむき出しになっていく。 強烈な愛と憎しみで結ばれた母と娘の長く狂おしい物語。 ここにあるのは、かつて見たことのない絶望か、希望か──。
感想
読み終わって、とにかくため息しか出なかった…
現実にあった事件を元にしているということで、さらに重い気持ちになった。
母娘三代に渡り引き継がれたどうしようもない負のスパイラルは一人の女子高生の命と引き換えに終わりを告げた。
負の連鎖…
って、こんなに重いものなんだろうか?
"逃げたい" その思いだけでは前に進めない現実。
無力な子供への呪縛は罪だと思う!
母性とは?愛情とは?
愛って与えるもの?愛は与えられるもの?
生育環境は大事だけど、人のせいにせず、自分の人生に責任を持つのが大人になるということかも?
そして、他の人の人生に責任を持つのが親になるということではないかな…
気持ちが落ちる話だけど、私にとっては知るべき世界でもあったと思えました!
感動とは違うけど、心を揺さぶられたから高評価となりました。
ありがとうございましたm(_ _)m