読書日記2023-36

若葉荘の暮らし

畑野智美(著)

[小学館2022年9月発行]

✩✩✩✩

 

若葉荘の暮らし [ 畑野 智美 ]

 

  あらすじ

感染症の影響を受け、望月ミチルのアルバイト先の飲食店の売上が激減。 バイト代が減ってしまったミチルは家賃の安い家に移ることを余儀なくされる。 そんな彼女に友人が紹介してくれたのが、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。 不安を抱えながら若葉荘の門を叩いたミチルだったが、温かく迎えてくれた管理人・トキ子さんに出会い、ここに住むことを決める。 同世代の千波さんと幸子さん、50代の美佐子さんと真弓さん、何かに傷つけられ、それぞれに重荷を背負いながらも、逞しく生きる住人達との交流の中で、ミチルは自分の幸せを自分軸で探す術を身につけていく。


  感想

作家デビュー10周年記念作品。そして、畑野智美の新境地。


なるほど!今までの畑野作品からしたら、えらくアッサリとしていて究極な盛り上がりがなく淡々としたお話だと思いました。


その淡々とした中で、テーマは女性の生き方?

主人公の若くもなく年寄りでもない40歳という微妙な年齢の女性の心情…

著者も同年代だからか?その辺りの微妙さがリアリティありな気がしました。


コロナ禍だから書けたお話でもあり、未婚であること派遣やアルバイト、貧困、性差別など女性の不安定な社会的地位はこのコロナ禍でいっそう明らかになった?!


人と人の繋がりや必要性がジワジワと沁みてきますね!


『環境の変化に疲れを覚えている感じ…』

これは歳をとるに連れて、もっともっと顕著になりますねうさぎあせる


『今は女性の選択肢の多さが貧困の理由なんだろうね』

そうなのか…


『自分自身を信頼できるようになりたい』

永遠のテーマかも?


ありがとうございましたm(_ _)m