読書日記2022-99
神さまを待っている
畑野智美❨著❩
[文藝春秋2018年10月発行]
☆☆☆☆☆
あらすじ
文房具メーカーで派遣社員として働く二十六歳の水越愛。 派遣期間の終了とともに正社員になるはずだったが、会社の業績悪化で職自体を失う。 失業保険を受けながら求職活動をするがうまくいかない。 家賃よりも食費を選び、ついにホームレスになってしまう。
漫画喫茶に寝泊まりしながら日雇いの仕事でお金を稼ぎ、また前の生活に戻ることを目指して日々をやり過ごす愛だったが、同じ境遇の女性に誘われ「出会い喫茶」に行くことで、自意識が揺らぎはじめる。 生きるために「ワリキリ=売春」をやるべきなのか。 ここまで追いこまれたのは、自己責任なのだろうか。
普通に大学を卒業し、真面目に勤めていた女性が、またたくまに貧困に呑み込まれていき、抜け出せなくなる。
自らの体験をもとにした、著者渾身の長篇小説。
感想
誰にも「助けて」と言えない。
圧倒的リアリティで描かれる貧困女子の現実。
ストーリーとしてはベタなんだけど、とにかく読みながら心の中でずっと叫んでいた気がする
「早く助けて貰いなよ」
「そっち側にいくなよ」
ただ彼女なりの最後のプライドがあったのかもと読了後に思った。
かなり心が揺さぶられました!
貧困からの転落ってこんなにも簡単なのかと怖くもなりました…。
ちゃんと帰れる家があり、
頼れる人がいて、
食べる物に困らない、
これがどんなに有り難いことかを思い知りました
それと同時に、自分も無力だなぁと思い知りましたね。
ありがとうございましたm(_ _)m