読書日記2022-68
心淋し川
西條奈加❨著❩
[集英社2020年9月発行]
☆☆☆☆
あらすじ
「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。
感想
まず題名の読み方を初めて知ったかも
心=うら
そうも読むとは知りませんでした…
江戸のうらぶれた長屋に暮らす人々の哀歓が漂う連作短篇集。
切ない話からの、温かい結末…
そして最終章で、しっかり実を結んでいるのも分かりました。
『冬虫夏草』では、母親の狂気を見て哀しくなった…。
『灰の男』でも親の執念がありました…。
人生って思い通りに進まなくて、苦しみを抱えながらそれぞれがその人なりに懸命に生きているんですよね
ありがとうございましたm(_ _)m