読書日記2021-149
【悪の芽】
貫井徳郎❨著❩
[角川書店2021年2月発行]
☆☆☆☆☆
犯人は自殺。無差別大量殺人はなぜ起こったのか?
世間を震撼させた無差別大量殺傷事件。 事件後、犯人は自らに火をつけ、絶叫しながら死んでいった――。
元同級生が辿り着いた、衝撃の真実とは。
現代の“悪”を活写した、貫井ミステリの最高峰。
久々に社会派長編を読みました。
無差別殺人…
数年に一度現れる凶悪犯。
それが知っている名前だったら…?
しかもその人の人生を変えるきっかけを作っていたら…?!
後で後悔しても遅い!
過ぎた日も時間も戻らないのだから…。
でも、その事を精神を病むまで後悔できる人は、人間らしい心があるということでは?
また、その凶悪場面をスマホで動画を撮る行為。
周りで人々が凄惨な状態であるにも関わらず…。
そしてそれをネットに流し、有名人気取り!
それに味をしめて、益々調子に乗る輩。
この方が人間らしい心がないと言えるのではないかな?
犯人の動機は最後の最後に判明するけど、ちょっと納得するには弱いかも?

このお話では《見下す》が、大きなテーマでもあると思えたけど…
人って、自分よりも劣っている人に対しては鷹揚に構えてしまう?!
『かわいそうに』と言うのは、上から目線?
相手の立場に立つって、とても難しいことかもしれませんね…。
ありがとうございましたm(_ _)m