読書日記2021-49 夏川草介❨著❩

『始まりの木』

[小学館2020年9月発行]

 

始まりの木 [ 夏川 草介 ]

 

「少しばかり不思議な話を書きました。木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です」--夏川草介

藤崎千佳は、東京にある国立東々大学の学生である。 所属は文学部で、専攻は民俗学。 指導教官である古屋神寺郎は、足が悪いことをものともせず日本国中にフィールドワークへ出かける、偏屈で優秀な民俗学者だ。 古屋は北から南へ練り歩くフィールドワークを通して、“現代日本人の失ったもの”を藤崎に問いかけてゆく。

学問と旅をめぐる、不思議な冒険が、始まる。
“旅の準備をしたまえ”


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第一話 寄り道

 【主な舞台 青森県弘前市、嶽温泉、岩木山】
第二話 七色

 【主な舞台 京都府京都市(岩倉、鞍馬)、叡山電車】
第三話 始まりの木

 【主な舞台 長野県松本市、伊那谷】
第四話 同行二人

 【主な舞台 高知県宿毛市】
第五話 灯火

 【主な舞台 東京都文京区】

民俗学という慣れない学問についていけないかも…と思いながらも第一話を読み…『ん?』


第二話は地元の話だから、これは読もうと読み進めると…『おっ?!』


第四話の同行二人も馴染みがあるので…『おっ、おっ⁉』


最終章では…『おぉー!!』


本書では、柳田國男《遠野物語》がよく登場してくる。

日常生活に不可思議なことがさりげなく紛れ込んでいるという部分が重なっているのかな?


巨木を敬い、巨岩を祀り、巨山を拝して、自らを世界の一部に過ぎないと考えてきた日本人の感覚。


大きな立派な木や岩には、自然と手を合わせたり頭を下げる。

海や山の綺麗な景色を見て感動する。

誰が教えた訳でもなく、自然とそうするべきだと感じるだけ。


神様や仏様を信じるかどうかじゃなく、感じるかどうか!


こういう話自体は、不思議でもなんでもなく、自然なことなのだろうと納得!


'"自然"というフレーズがやたらと出てしまうのも、科学では証明できない感覚ということかな?

それが民俗学?

深いですねぇ〜(・.・;)


ありがとうございましたm(_ _)m