読書日記2021-29 千早茜❨著❩
『あとかた』
[新潮社2013年6月発行]
きれいに洗っても、忘れようとしても、まだ残っているもの。
それで、人生は満ちている――。結婚直前の不実も、不倫も、自分の体を傷つけてしまうのも、ここにずっといて欲しいとうまく言えないのも、ぜんぶ同じ。
怖いから。抗いたいから。 体と心が触れあった痕跡を遺すことだけが、私たちの唯一の寄る辺なのです――言葉にしたら消えてしまうかもしれない感情の奥底まで踏み込んで描ききった、痛くて優しい連作小説。
続けて読んだ千早作品。
これは…
気持ちが沈んでしまう読了感。
今回も短編連作で、嫌な奴と思いながらもその人の心情が分かると、また違う見方になる。
不倫がテーマではないが、その罪悪感は見当たらず、肯定もしている訳でもない辺りが、とらえどころが無く感じたのかもしれません。
著者の書く女性は、感情を表さず内に秘めた弱さを見せないタイプが多い?!
そして、人との距離が遠く孤独。
そこがミソなんだろうけど…。
そこにハマれば無敵かも?!(^_-)-☆
ありがとうございましたm(_ _)m