読書日記73 中山七里❨著❩
『死にゆく者の祈り』 [新潮社2019年9月発行]


囚人に仏道を説く教誨師の顕真。
ある日、拘置所で一人の死刑囚が目に留まる。 それは、大学時代に顕真を雪山の遭難事故から救った、無二の親友・関根だった。 人格者として知られていた友は、なぜ見ず知らずのカップルを殺めたのか。 裁判記録に浮かび上がる不可解な証言をもとに、担当刑事と遺族に聞き込みをはじめた顕真。 一方、友として、教誨師として、自分にできることとは何か。 答えの見出せぬまま、再び関根と対峙することとなる。
想像を絶する、事件の真相とは。
人間の「業」を徹底的に描く、渾身のミステリ長編!

虹 虹 虹 虹 虹 虹 虹

「読経は死者のためではなく、生者のため。 現世で苦しむ人々を幸福にするため、釈尊の教えを弟子たちが書き残したものが経典。」

この言葉を死刑囚に説き、生の長さに拘らず、一日一日の充足に心を注ぐように言う教誨師。

そんな主人公が、教誨師として再会した友達で命の恩人を救済?のため、事件を調べ直し、刑事や弁護士に訴えかけ、最後には……。

話としては面白かった!
最後は、少し都合良すぎる感もあるけどね。

加害者がいれば、必ず被害者がいてその家族もいる。
その被害者家族の言葉は、どれも当然ながら厳しい。
教誨師として、被害者家族にどう接するかも興味深かったが、この本では友人を救うことに重きがおかれていて、教誨師としての役割が薄かったように感じられたのが残念だったかな⁉

ありがとうございましたm(_ _)m