読書日記91 湊かなえ【著】
『ユートピア』 (文庫本2018.6)
【第29回 山本周五郎賞受賞作】
善意は、悪意より恐ろしい。
足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立。
しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。
「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの理想郷を探すが――。
ドロドロした人間関係=リアルな話?
閉鎖的な街で、地元民根性とそれを疎ましく思うよそ者。
ネットでの中傷、ズレる善意と誤解。
それぞれの傲慢さと自己主張が常に描かれているこのお話は、読み手にも息苦しさを与えますね。
著者らしいラストではあるけど、もう少し明確に終わらせて欲しかったかな⁉
だって『ユートピア』なんだから
ありがとうございましたm(_ _)m