中山 七里 著 『アポロンの嘲笑』

太陽神アポロンは同時に弓矢の神でもあり、その矢は自分を軽視し侮辱するご傲岸不遜な相手に死をもたらす。人間はある時からアポロンを軽視し、太陽に変わる原子力を手に入れた瞬間に、太陽神を侮辱したのではないか。

そう福島第一原子力発電所を舞台にした話。
大震災の5日後に起きた殺人事件の犯人が、被害者に託された任務を遂行するために、脱走し命を顧みず原発へ向かう。

任務とは、北の国のテロリストが仕掛けた爆弾の撤去。 阪神淡路大震災で両親に守られて助かった命、その後の壮絶な生い立ち、やっと護りたい人が出来てその人達のためにボロボロになりながらも進む姿に、震災で幼い息子が行方不明になっている刑事が同調する……

と、物凄くしんどくて辛い話でした。 原発で働く人々の劣悪な環境は、決してフィクションではないような気がしました。

ありがとうございましたm(_ _)m

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